Black and White

『BLEACH』を愛して止まない男・ほあしが漫画の話をします。当ブログに掲載されている記事の無断転載を固く禁じます。

『BLEACH』第662話「THE GOD OF THUNDER 3」の感想・考察

こんばんは。致命的なクイコミが大好きなほあしです。

今週のBLEACHの感想です。

 

BLEACH』第662話「THE GOD OF THUNDER 3」

 場面が変わって、夜一vsナックルヴァール戦へ戻りました。ナックルヴァールの頭上に降り注いでいる瓦礫は、どうも先週の巨大石像によって破壊された回廊のもののようです。位置関係としては、夜一たちは真世界城の麓あたりにまで到達していたことになりますね。

 降り注ぐ瓦礫を一切回避していないにもかかわらず、ナックルヴァールは傷一つ負いません。『致死量』操作によって獲得した「霊圧への"免疫"」によって、いまの彼はおよそどんな霊的なものによっても殺されることが無くなったのだろうと考えられます。真世界城を形作る石なども「霊子」から成り立っているでしょうから、それによる死すら遠ざかっているというか。いよいよ無敵くさいですね。

 一方の夜一は、霊子・酸素・窒素のハイブリッド毒入りボールを受けて半死半生です。やはり酸素や窒素などの「生きるためには必要不可欠な物質」を致死物質に指定してしまうのがこの能力の本領なのでしょうね。「血」を致死物質に指定した王悦戦から、この辺りの戦術は一貫しています。ナックルヴァールとしては至って手加減抜きで殺しにかかっているらしいですから、それでもなお生きている夜一のしぶとさが常軌を逸しているのでしょう。

 傍らに横たわる夕四郎はもう見るからにヤバそうですが、おそらくこれはあくまでも矢で貫かれての失血によるものであって、毒入りボールまでは受けていないのではないかと思います。もし矢に加えて毒入りボールまで受けているのだとしたら、それこそ驚異的な生命力です。

 そんな致命的としか言いようのない状況に、浦原が現れました。ジェラルドが隊長格らのもとへ飛来してきた時点では彼らとともにいたはずですから、それ以降のどこかのタイミングで移動してきていたのでしょう。どちらの戦線も真世界城の至近に位置しているようですから、距離もさほど遠くなさそうですし。

 ちなみに、顎を蹴られた浦原が「顎が痛い!!」などと分かりきったことを言っていますが、暴力を振るわれたときに浦原がこういう言い回しのリアクションをするのは初めてではないんですね。〈尸魂界篇〉に向けて一護が死神能力を取り戻そうとしていた修行のときにも、同じ言い回しのセリフが飛び出していました。久保先生、よくこんな小さなネタまで覚えているものだなと感心します。

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(久保帯人BLEACH』8巻66頁)

 しかしこのくだり、絵としてはっきりと描かれているわけではありませんが、どうも浦原は夜一のお尻を撫でまわしているみたいですね。おそらくこのときに免疫強化剤を注射しているのでしょうが、〈千年血戦篇〉がいつかTVアニメとして映像化されることがあったら、やはりこのくだりには何らかの修正がなされるんですかね。放送時間帯などにもよるのでしょうが、あからさまなセクハラ行為は基本的にNGになる傾向がありますから。まあ今気にしても仕方のないことですが。 

 

 ナックルヴァールが明かした「特記戦力」の一覧とその定義は大変興味深いですね。一護剣八藍染については「特記戦力」に指定されているという事実がこれまでに言及されたことがありましたが、和尚と浦原については今回ようやく明かされました。

 まず面白いのが、特記戦力とは「ユーハバッハが指示した」ものでありながら、その基準は「"未知数"のものを持っていること」なんですね。

 『全知全能』によって全ての未来を見通しているはずのユーハバッハにとって「未知」なるものなどあるのか、という疑問がまず生じますが、ユーハバッハが『全知全能』の力を完全に目覚めさせたのはこの戦いが始まった後のことです。五人の特記戦力を指示した当時はまだ「眼を瞑じて」いたはずですから、この点については特に矛盾はありません。

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(久保帯人BLEACH』67巻154頁)

 ただし、たとえ当時は未来が見えていなかったのだとしても、戦いのなかで『全知全能』の力を目覚めさせるつもりだったこと自体は疑いようがありませんよね。自分はいずれ全知全能の存在になるだろうということを、ユーハバッハは知っていたわけです。

 にもかかわらず、彼は"未知数"ゆえの脅威として「特記戦力」などというものをわざわざ指定しました。これは「見えざる帝国」の戦闘員への注意喚起という意味合いも多少はあるのでしょうが、「ユーハバッハが『全知全能』を得てもなお"未知数"であり続ける可能性がある者(=『全知全能』を打ち破る可能性がある者)リスト」とでも言い換えることが可能だと思います。先週、雨竜(彼もまた「ユーハバッハの力を超える何か」を持つ者です)がハッシュヴァルトの未来視を一部覆したらしいことからも分かりますが、ユーハバッハの『全知全能』は、必ずしも絶対無敵の力とまでは言えないもののようなんですよね。この力を「特記戦力」の面々がどう覆すのか楽しみです。

 

 浦原のおかげで5分限りの復活を遂げた夜一でしたが、ナックルヴァールの言うように、そもそも彼女は万全の状態で一度毒入りボールを喰らったからこそ窮地に追いやられていたんですよね。ナックルヴァールがグリムジョーと追いかけっこをしていた時にも述べたことですが、やはりナックルヴァールは、敏捷性に関してはかなり高水準のものを持っているのでしょうね。グリムジョーと互角に渡り合える逃げ足や"瞬神"夜一の連打すら躱せる身のこなしを見ると、これは明らかだと思います。

 そこでまたしても「未知数の"手段"」こと浦原の奇策が炸裂します。どんな仕掛けかは見当もつきませんが、手に持った紙をめくった瞬間、夜一を獣じみた姿に無理やり変身させてしまいました。一言で表現すれば「雷をまとった猫」ですね。雷神戦形では雷神のツノを模していた髪が、今はネコ耳になっています。カワイイ。

 夜一はそもそも黒猫に変身する能力を持っていますし、変身の直前に「あんな中途半端な気色悪い姿」とも言っていますから、これは『夜一の変身能力を中途半端に発動することで獣じみた身体能力を得る』みたいなことなのかなと思います。彼女の素肌から黒猫の尻尾が生えてきていますから、部分的な変身をしているのは間違いありません。前腕部のみを獣のそれに変えていたグリムジョーに近いものを感じますね。

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(久保帯人BLEACH』69巻137頁)

 これ、デザインのモチーフとしては「雷獣」という妖怪があるのかなと思います。落雷とともに現れるとされる妖怪で、姿形は様々に言い伝えられていて決まったものがないのですが、基本的にはイヌやネコやタヌキやイタチなど、四足の哺乳類に似た姿とされています。いまの夜一そのまんまですね。

 まず身のこなしでナックルヴァールを上回るためにこの半獣の姿になったのだと思われますが、そもそも「霊圧」による攻撃が通じない以上、まだ勝ち目までは見えない状態ですね。どうやって突破口を開くのか非常に楽しみです。

 

 ところで、最後のコマの獣化した夜一、明らかに「穿いてない」状態と化してますよね。まあ彼女の服は競泳水着みたいな形をしていましたから、「穿いてない」というよりは「着ていない」と形容したほうが良さそうなわけで、つまり「全裸+ニーハイ+猫コス」ということになりますね。

 もはや「あざとい」という概念の権化なのでは…? というかこんなハレンチな格好だと来週以降まともなアクションをしてはいけないのでは…? などの様々な思いが去来する今日この頃ですが、マジレスすると「雷でできた紐パン」みたいなものが一応腰のあたりに巻き付いているので、たぶん陰部はそれで隠してるんじゃないかなと思います。まあ「雷でできた紐パン」というのもそれはそれで相当ブッ飛んだデザインではあるんですけども。

 しかし久保先生ならそういう最後の一線すら易々と踏み越えたデザインをブッ込んでくる可能性も否定できません。わざわざ夜一の致命的にクイコミまくったお尻にサブタイトルを刻み込んじゃうようなお人ですからね(※夜一のエロカッコ良さを強調する大変素晴らしい演出です)。

 

 そして、BLEACH×パズドラコラボの続報が出ました。

 ガチャ実装のキャラとして剣八日番谷乱菊が新たに追加され、一角・恋次・涅・斬月のオッサン・白哉などがダンジョンキャラとして登場するようです。とはいえ、「ダンジョンでは顔見せだけでドロップはせずガチャからのみ入手可能」というパターンもありますから、正式な発表まではまだ分かりませんが。

 それと、どうやら今回のコラボは〈尸魂界篇〉までの内容になるようなので、〈破面篇〉以降のキャラについてはまたの機会を待つことになりそうです。

 

 最後に、2月18日(木)に発売される『ジャンプ流!』の久保先生特集号について。

ジャンプ流!DVD付分冊マンガ講座(4) 2016年 3/3 号 [雑誌]
 

 Amazonだと書影がまだ更新されていないのがなんとも残念ですが、著名なジャンプ作家へのインタビューやマンガ制作現場への取材などをまとめた雑誌で、執筆の様子などを収めたDVDも付いてきます。BLEACHファンのみなさん、もう黙って買いましょう。

 

 今週の感想は以上です。

 ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。

 それでは。