Black and White

『BLEACH』を愛して止まない男・ほあしが漫画の話をします。当ブログに掲載されている記事の無断転載を固く禁じます。寄稿のご依頼などはhoahoahoashi@gmail.comまでどうぞ。

『週刊少年ジャンプ』2016年48号の感想

こんばんは。ほあしです。

今週のジャンプの感想です。

 

◆『ワールドトリガー』第163話「絵馬ユズル②」

 ランク戦前のインターバル回って感じですね。隠岐くんがチャラすぎて笑いました。先日のランク戦では生駒さんがやたら隠岐くんのことを「イケメン」「モテる」とイジりまくっていて、でもその時の隠岐くんはとにかく「いやいや全然ですって」みたいな返しばっかりしてたんで、ただ生駒さんがちょっと面倒くさいイケメンイジりをしてるだけなのかなと思ってました。しかし今回の隠岐くんの振る舞いを見るに、こいつ明らかに天性の女たらしなんですよね。今回の千佳に対する絡み方はユズルでなくてもイラッとくる人はいそうですし、正直そのうち刺されそう。

 カゲ、仲の良い友人は実家のお好み焼き屋さんに連れて来るんですよね。これ、こうして呼んでもらえる人=「感情受信体質」のカゲが気を許せる相手である、という話なのは勿論なんですが、同時に、カゲと両親の親子関係が良好であることをも示しているんですよね。親子仲が険悪だったら、友人とつるむにしても親の目が届かない場所を選びたがるのが人情でしょう(「感情受信体質」の持ち主なら尚更です)から。「どーだ うめーだろ コラ」と、親に出してもらったお好み焼きの味をカゲが自慢しているのも傍証になりますね。両親を愛しているカゲ概念めっちゃイイ・・・。

 あと「感情受信体質」関連だと、東のおっさんの件が面白いっていうかもはや怖いですね。「遊真と同じくらい感情を排して攻撃してくる」とか、あまりにも怖すぎるんですよね。近界の戦士として冗談抜きに命懸けで戦場を生き抜いてきた遊真と同じレベルの感情制御ができる日本の大学院生って何よっていう。圧倒的な狙撃能力と指揮能力も含め、戦士としてあまりにも完成されすぎてる気がします。格の高さがとどまるところを知らない。個人的にはワートリキャラ全体の中でもかなり好きなキャラなので、もう本当に格好良いなという感じなんですが。

 そして今回はユズルの遠慮が面白いですね。「すべての隊が遠征を目標にしているわけではない」という話はすでに出ていましたが、やっぱりランク戦の組み合わせなどによってはこういう遠慮が起きてしまうこともあるんですね。まあ今回はユズルが千佳に気があるからというのが大きな理由なんでしょうが。しかしこれ、ボーダーの運営的には、こういう盤面外の駆け引きで遠征選抜が左右されかねないというのは結構怖いところだろうなと思います。当然の話ですが、ランク戦のシステムは「隊員たちが手抜きをしないこと」を前提にしなければ遠征メンバー選抜基準として機能しなくなりますから。まあ荒船が言っているとおり、今回に関しては「そんなに心配なら自分が遠征に行け」という話で上手いことまとまりはしましたが。ランク戦が楽しみですなあ。

 

◆『僕のヒーローアカデミア』第113話「試験その後に」

 今回のサブタイって、やっぱり消臭剤の「トイレその後に」のもじりなんですかね。堀越先生、たしか単行本だかツイッターだかで「タイトルを付けるセンスが無い」的なことを言っていたことがあるはずなんですが、トイレグッズのもじりというのは中々にハイレベルですね。

 二次試験、救助が完了し次第終了するというのは「救助活動」を主眼においた試験として至極真っ当ではあるんですが、それなら最初から敵強襲のくだりとか作らず、全員に救助活動での動きをしてもらったほうが良かったのではないかとも思うんですよね。正直、試験の内容がブレるというか、「救助行為における減点」と「戦闘時の立ち回りにおける減点」とでは全く意味が違うものだと思うんですよ。受験者個人レベルで減点された内容が違いすぎるというか、それってもはや試験の内容そのものが人によって違っちゃってるんじゃないのかっていうところですね。なんかこう、HUCの人たちが試験の最中に「はい減点!!」とか叫んで減点の理由を事細かに説明してきたときにも思ったんですが、「試験」というよりも大規模な「演習」みたいに見えたんですよね、これ。マンガ的誇張演出・ケレン味の範疇といえばそれまでなのかもしれませんが、その辺のリアリズムのあり方が個人的に少し気になるエピソードだったなーと。

 で、実際の合否ですが、夜嵐くんは不合格、轟くんについては不明ですね。まあ正直、この顛末で轟くんが落とされてたらトバッチリにも程があると思うので、さすがに受かってると思うんですが、さてどうなるでしょうか。

 

◆『鬼滅の刃』第36話「これはやべぇ」

 炭治郎が遭遇した少年、やっぱりこいつが十二鬼月っぽいですよね。敵としての風格が他の蜘蛛ファミリーとは段違いに見えます。少年の「仲間ではなく家族だ」という物言いに炭治郎が強く怒るのは、炭治郎にとって家族がとても大切なものだったからなんでしょうね。蜘蛛一家のような寒々しい関係を当然のごとく「家族だ」と断言されてしまったことで、家族というもの自体をバカにされたような、そんな気持ちなんでしょう。しかもここでは蜘蛛少年(名前が出てこないので呼びにくい)は「家族」としての絆を「仲間」としてのそれよりも強く尊いものとして述べているので、「仲間」のことまで同時に愚弄された感じですね。

 そして登場から流れるように死んでいく軽率ザコ戦士くんの動き、もはや様式美ですね。このシーンで殺されるためだけに生まれてきた感。たぶん蜘蛛少年の能力は「刃物同様の斬れ味を持つ蜘蛛の糸」なんでしょうが、ザコ戦士くんが全く糸に気づくことなく切り刻まれているところを見ると、この糸は目には見えないような感じなんですかね。完全に目視不可能ということならちょっと強すぎるってレベルじゃねーぞって感じですが、炭治郎はどう戦うんでしょうか。しのぶちゃん辺りが加勢するという流れもありそうです。

 場面が変わって伊之助vs蜘蛛パパ。硬い敵の攻略方法、まさかの剣八メソッドでしたね。「刀は片手で振るうより両手で振るうほうが強い」をほぼそのまま実践してます。まあ単に硬いだけならたしかにそうやって斬りにいけば斬れるよねというか、伊之助には特別な異能があるわけでもないので結局はそうするしか無いよねというか。

 しかしこの蜘蛛パパ、脱皮で傷が治るのはシンプルにずるいですね。切り落とされた右腕が脱皮後には完全に繋がっています。まあさすがにそう短いサイクルで脱皮は出来ないでしょうが、露骨にパワーアップしまくってるのがまずヤバいので回復とか関係なくシンプルに強いですね。能力の運用的には親衛隊のジェラルドっぽいノリがあるかもしれません。傷を受けても強くなって復活→大勝利的な。そう思って見てみると、最後の伊之助のリアクションもジェラルド戦当時のBLEACH読者そのものみたいに見えないこともない。やべぇぞこれは。

 

◆『左門くんはサモナー』第55話「左門くんは分かってる」

 なるほど、ルキフグスギルガメッシュだったのか・・・(錯乱)

 いやまあ、冗談ではなく、さすがにこれは言い逃れ不能なレベルでギルガメッシュの『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』が着想の原点にあると見てよいでしょう。まあ『王の財宝』は宝具の「原典」となる武器を収蔵したものである一方、ルキフグスの武器庫は「原典」からは遠く離れた個々の武器を収めたもののようですから、ルキフグスのそれは実質『王の財宝』の劣化版ということになりそうですが(そもそも別作品の能力を引き較べること自体に意味がないんですけども)。

 ただ、ルキフグスギルガメッシュとを比べたときにルキフグスに軍配が上がる点として、「本人の戦闘能力の高さ」は挙げても良いのかなと思います。ギルガメッシュは白兵戦では基本的にお話になりませんからね。純粋な戦闘能力によって「赤き竜」の頂点に立っているルキフグスだからこそ、今回のように「本人が普通に武器を振るう」という戦い方が選択できるのでしょうし。いやまあこんな性能比較とかマジで不毛でしかないのでこれ以上は止めておきましょう。そもそも土俵がちがうんですから比較もクソもないんですよね。

 今週あらためて思ったんですが、沼先生、シリアス成分とコメディ成分の絡め方が本当に巧みだなと思うんですよね。戦闘の推移自体は最初から最後までいたって真剣なバトルとして描写しておきながら、最後に格好良い決め台詞を言わせることも出来るはずのルキフグス「チューしてもらえるという自分ルールがボクを強くしてくれたのさ」とかいうクッソ気持ち悪い台詞を言わせてます。この一連の流れって、ギャグとしてものすごく上手いんですよね。シリアスな戦闘による緊張をルキフグスの台詞ひとつで一気に緩和させる、いわゆる「緊張の緩和」というやつをほぼ最高のかたちで演出できているので。そして、こうして要所要所で「緩和」が起きるからこそ、その後のネビロスと左門くんのやり取りなどの緊張感がまた際立つわけで、緊張と笑いの相互作用を非常に効果的に生み出しているんだなというのが今回だけでもよく分かるなあと。本当に力のある作家さんだと思います。

 で、最後のアンドラスですが、これはネビロス自身が相手をするようですね。サルガタナスの直接の仇のようですから、少将の本気が見られそうです。ただ、「能力:鏖殺」というあまりにも物騒な相手に、受肉した状態で勝てるのかなという疑問はあるんですが。「受肉状態では歯が立たず絶体絶命→左門くんがネビロスを召喚することで生身の肉体を無理やり捨てさせる→受肉から解き放たれたネビロスの本領発揮」みたいな共闘展開とかがあったら個人的には非常にアツいんですが、どうなるでしょうか。

 

◆『火ノ丸相撲』第119番「勝利の土俵」

 首藤くん、やはり冷静にはなれませんでしたね・・・。というかモノローグすら無しでした。まあ冷静さを奪われているのですから当然っちゃ当然ですが。

 しかし、「挑発」「猫だまし」「八艘飛び」の三段構えによる押し出し狙いそのものは本当に見事だと思います。戦術の逆算が窺えますよね。「八艘飛び」を成功させたい→その隙を作るために「猫だまし」をやりたい→「猫だまし」を確実に決められるように相手の冷静さを奪いたい→最大限「挑発」しまくるという、自分の勝ち筋、勝利の土俵を引き寄せることだけを考えて組み立てた戦い方です。

 しかも、最後の最後は"体"を使って力尽くで押し出すしかないというのが見せ方としても上手いんですよね。観衆や他の選手から見れば、蛍くんの度重なる挑発はもはや「まじめに戦う気がない」ようにしか見えず、だからこそブーイングまで起きたわけですが、八艘飛びで首藤くんの背後に回ったあと、蛍くんは全力で首藤くんを押し出そうとしています。「まじめに戦う気がない」というのは見当違いであり、ただ彼は「そういう戦い方を選んだだけ」なのだということを、最後の押し出しの動きによって確信させられるんですね。そりゃ観衆も黙るしかなくなるよなあと思います。「この一番で勝つためだけにあれだけの事をやったのか」というのを理解させられるので。蛍くん、格好良いんだけどやはり非常に恐ろしいやつだなと思います。

 で、最後に不穏な挙手で終わっていますが、たぶんこれは「同体」への物言いだろうと思います。協議の結果として「同体」と判断された場合は原則として取り直しになるようですから、もしそうなった場合、蛍くんにとっては完全に終わりですよね。さすがにこれと同じことを二度続けてやっても無意味でしょうから。個人的にこの取組は、蛍くんの戦い方より首藤くんの描写があまりにも残念すぎることが非常に気になっているので、取り直しで彼にスポットを当てるという流れはあるかもしれないなと思います。彼に関してはちょっと今までの『火ノ丸相撲』らしくないレベルで扱いが低いなと思っているので・・・。

 

 今週の感想は以上です。

 ここまでお付き合い下さり、ありがとうございました。

 それでは。