Black and White

『BLEACH』を愛して止まない男・ほあしが漫画の話をします。当ブログに掲載されている記事の無断転載を固く禁じます。

『週刊少年ジャンプ』2017年17号の感想

こんばんは。ほあしです。

今週のジャンプの感想です。

 

◆『僕のヒーローアカデミア』No.131「抗う運命」

 巻頭のカラー扉絵、個人的にめっちゃ好きなやつですね。すごくストーリー性を感じさせるというか、とりあえず『アルマゲドン』の主題歌をバックに流しとけば丸く収まりそうな単純明快に格好良い感じというか。彼らはやがて本物のヒーローになるんだなということを改めて感じさせてくれる絵だなと思いました。

 本編の話。オールマイト、ナイトアイの予知を知った上で戦い続けたわけですが、己の命を完全に投げてしまったわけじゃなかったんですね。先日のオールフォーワンとの戦いで「私は殺されないぞ 貴様の思い描く未来にはならない」と宣言していたことにはこういう文脈も含まれていたんだと開示されたのが個人的にめっちゃ泣き所で、再読時にボロクソ泣いちゃうポイントがまた増えてしまいました。あとね、当たり前なんですけど、「でも君がいた」「君が変えてくれた 私は生きる」はずるすぎますよね。デクという後継者と出会ったことでオールマイトは再び「生きたい」と思わされてしまったわけですよ。この情動の流れ、BLEACH大好きおじさんとしては「死なせたない人おると 急に死ぬん怖なるやろ?」とかが脳裏を過って余計に激エモなんですよ。もうホンマに最高・・・。

 ほんでねじれちゃんですよ。エロカワイイを司る女神かお前は。先週のバブルガールのときにも思いましたけど、堀越先生、女体の描き方がマジで上手くなってると思うんですよね。骨太かつ筋肉と脂肪がバランス良く付いたタイプの肉感的な女体を好む人なんだろうないうのは以前からありありと見て取れました(痩せ型・脂肪薄めタイプのネームド女性キャラがほぼ存在してません)が、今週の絵を見た限り、ねじれちゃんはおそらくこの作品の中ではかなり痩せ型としてデザインされてるんですよ。脚なんかが顕著だと思うんですけど、堀越先生にしてはめちゃめちゃ細い脚を描いてますよね。にもかかわらず「スマートでありつつ肉感的」という絶妙なアレが成立しているので、人体の表現力が本当に高いんだなと改めて思わされました。女体の話めっちゃ楽しい。

 

◆『鬼滅の刃』第55話「無限夢列車」

 煉獄さんのことが大好きになってしまった。「夢の世界で"精神の核"を破壊することで殺す」という血鬼術を使って新キャラの掘り下げ回想をさらっとこなしちゃう五峠先生のお手並み、本当に鮮やかです。煉獄さんの常に前向きで暑苦しい言動は、放っておけば寂しくて挫けてしまいそうになる自分を鼓舞するためという部分も大いにあるんでしょうね。そんな中でも弟に大きな愛情と励ましを与えようとするこんな姿を見せられてしまったら、これはもう好きにならなきゃ嘘でしょうって感じです。敬意に値するキャラクターだなと思いました。あとこの漫画、「頑張れ」的なフレーズが頻繁に登場しますよね。おもに炭治郎が自分自身や周囲の人々を鼓舞する時などに。今回は煉獄さんが弟に「頑張ろう! 頑張って生きて行こう! 寂しくとも!」と声をかけていましたが、この漫画でこういう「頑張れ」系のフレーズが出ると本当に泣けてくるんですよね。下手にこういうセリフが出てくるとお仕着せがましさなどが先に立って反感を憶えてしまうパターンが個人的には多いんですが、この漫画だと全然嫌味に感じないんですよ。なんでなのかなと少し考えてみたんですが、たぶん、『「頑張れ」と言っている本人がまず誰よりも頑張っている』という前提が常にあり、なおかつその「頑張れ」は『他人よりも自分自身に向けられているところが大きい』というあたりが根底にあるのかなと。ただでさえ頑張っている人がさらに自分自身を鼓舞するために「頑張れ、俺」と叫んでいる悲惨なさまが涙を誘うんだろうなと。小須田部長の「が~んばれ~負け~んな~♪」の世界ですよね(小須田部長を知らない者は各自ググりなさい)。

 ほんで炭治郎の夢ですよ。ただ家族みんなで笑って暮らしていくことがいまの炭治郎が望む最大の幸福なんですけど、こうしたかたちの幸福はもう二度と叶うことはないんですよね。悲しすぎる。炭治郎たちには絶対に幸せになって欲しいというお気持ちしかなくなってしまった。どうかこの作品が末永く続いて、彼らの旅の終着がしっかりと描かれてほしいなと思います。

 

◆『火ノ丸相撲』第138番「活動限界・・・!!」

 「火ノ丸には俺の助けが必要なんだ」で相撲部に殴り込む桐仁くんあまりにも押しかけ女房すぎるので、火ノ丸くんは早く婚姻届に署名捺印してあげてほしい。病身の女房役が自分のために死に物狂いで戦うのを見守る旦那役みたいな構図になってるわけですが、何なんでしょうこの背徳的にエモい関係性は。本当に相撲漫画なのかこれは。

 蛍の代わりとして出場した桐仁もまた同体での取り直しになっているのはなにか運命的なものを感じてしまいますが、表現上の狙いなどがあるんでしょうかね(現時点ではまだ意図が読みきれません)。

 

◆『左門くんはサモナー』第74話「左門くんはまだ」

 エモすぎて死んでしまいそうなのでもうちょっと手加減してほしい。左門くんとネビロスの関係については当初から妙にバディ感が強いというか、お互いの戦闘能力について非常に強固な信頼関係があるらしいというのは感じていた(茨木童子登場回での共闘のときから明らかにそういう描かれ方をしていた)んですが、この流れなら納得です。左門くんは降霊術士・死霊術士としてのネビロスを自身が師事すべき相手だと見込んで教えを請い、ネビロスのほうも意図はどうであれ左門くんに召喚術士としての戦い方を教授してやったという師弟関係だったんですね。「俺はアイツにただ大人になってほしかった 叶わない夢は見ず 平穏な人生をただ歩んでほしかった」という述懐も踏まえれば、少なくともネビロスのほうは明らかに親心も持っていたはずです。対等な立場から生じたライバル関係かと思いきや、実は師弟関係にして擬似的な父と息子の関係でしたってのは結構斬新な流れのように思います。高校生になった現在の左門くんが一貫して生意気な口を利いているので、てっきり最初からこういうフラットな関係だったのだろうと思わされていました。まさかvsネビロス戦が事実上の父殺し譚になろうとは。やっぱり沼先生はキャラ情報の開示が上手いですよね・・・。

 今回はサブタイも本当にエモくて、「左門くんはまだ子供である」「左門くんはまだ夢を諦めていない」「左門くんはまだ約束を覚えている」あたりの内容を包括しているわけですが、これらはいずれも「左門くんのなかでは子供の頃の夢や約束がまだ現役で生き続けている」という核心的な事実のパラフレーズにすぎないんですよね。これらの言葉を本編中のセリフに嫌味なく繰り返し挿し込んでおきつつ、サブタイとしては「左門くんはまだ」という包括的でありつつも余韻をもたせた言い回しを見せてくるという、これは本当に上手いやり方だなと思わされました。本当に最高です。

 

一言感想

◇『ROBOT✕LASERBEAM』第2話「朝のロボ」

 ロボの精密ショットの理由、毎日ひたすら時間つぶしでクラブを振るっていたからというきわめてシンプルかつパワーのあるものでした。この感じだとたぶん父親は元プロゴルファーとかでしょうから、プロの手ほどきを基準にして精密に反復練習を続けたからこそ身についた特殊技能ということなんでしょうね。おそらく次回、ロボと鷹山が顔を合わせるのかなと思うんですが、それなら第1話で微妙に勿体つける必要もなかったんではと思ってしまいました。「ロボ」に対置するライバルキャラの異名が「侍」というのが微妙にチグハグ感があって面白かったです。

 

◇『約束のネバーランド』第32話「決行①」

 レーイ!!!

 ・・・急展開すぎてビックリしちゃった。「俺の命もノーマンの命も無駄にするなよ」がここでの「約束」でしょうか。ここまでやったならもうこの物語はきちんと最後まで読ませてほしいぞと思わされる回でした。

 

◇『ハイキュー!!』第247話「2日目」

 兵庫県代表校が優勝候補として登場してる!やったぜ(ほあしくんは兵庫県民です)!しかし稲荷崎の宮兄弟、めっちゃキャラ立ってますね。そういえばこの作品には双子キャラは出てなかったなあと今更思い出しました。どんなジャンルの作品でも美味しく扱えるウルトラ便利設定ですが、ハイキュー!!ではどう料理するのか楽しみです。

 

◇『Dr.STONE』Z=4「純白の貝殻」

 獅子王くんが想像以上にアブない野郎だった・・・。まあこういう状況でグレート・リセット願望が顕在化するというのは人情的には非常に納得感があるんですけどね。そんなことしても絶対元の木阿弥になるに決まっているというところまで思い至れない辺り、獅子王くんは子供なんやなというのが分かる回でした。あとは貝集めのくだりで描かれている海辺の背景が圧巻の美しさですね。さすがはBoichi先生と言わざるを得ません。

 

 今週の感想は以上です。

 ここまでお付き合い下さり、ありがとうございました。

 それでは。