『週刊少年ジャンプ』2017年16号の感想
こんにちは。ほあしです。
今週のジャンプの感想です。
◇『ROBOT✕LASERBEAM』1st round「ゴルフはやらない」
新連載第6弾。黒バスの藤巻忠俊先生です。完璧な精密アプローチが人間業では不可能であるがゆえのパワーゴルフ隆盛に対して、本当に完璧なアプローチができてしまうロボットめいた主人公を用意するという、主人公のスペックデザインとしては『ライジングインパクト』とは正反対になっていますね(ゴルフ漫画となるとどうしてもライジングインパクトを思い出してしまいます)。あれとはまた違ったかたちのゴルフ漫画が読めそうで楽しみです。「他人と競って優劣をつけたいとは思わない」と言う主人公のロボですが、彼がただの機械的な冷血漢ではなく、大切な友人のために怒ることもできる奴だというのも良いですね。単に闘争心や功名心が薄いだけのタイプなのかなと。しかしゴルフのように「自分との戦い」の側面が大きいスポーツだと、むしろこういう性格のほうが向いてる部分もありそうだなと思います。クール系の主人公という意味ではどうしても前作主人公の黒子がオーバーラップしてしまいますが、まあまだ第1話ですから、これからキャラクターがよりしっかり見えてくれば印象も変わるでしょう。あとホントにどうでもいいんですけど、ロボたちの通う高校の制服、ズボンのチェック柄の作画がめっちゃ面倒くさそう。
ひとつだけ気になったのは、後半に登場したチンピラ他校生ですね。もう本当にお手本そのまんまみたいな斬られ役の悪者で、顔を出す前のセリフだけでその後の流れが概ね見通せてしまったレベルでした。彼らを使ったことでロボの精密アプローチのヤバさがしっかり描かれていたのは良いんですが、そこに持って行くまでの流れの作り方がちょっと単純すぎるかなーと。今後もこの調子でやられると早いうちに退屈してしまいそうだなと思ってしまったので、そこだけ少し心配です。
◇『Dr.STONE』Z=3「KING OF THE STONE WORLD」
杠の復活はならず、代わりに第1話で発見されていた『霊長類最強の高校生』獅子王司くんが復活しました。何者なんでしょう。面識のない大樹が彼を知っていたということは、テレビなんかでよく取り上げられた若手の格闘家とかそんな感じなんでしょうか。石化が解けた瞬間から異様なくらい友好的で話のわかる奴ですし、「君らにはもう二度と危険って奴は訪れない」という自信満々のセリフもめちゃめちゃ頼もしいしで、すでに非常に好感度が高いです。ただこの作品、こうして人が増えていくにつれて良かれ悪しかれ様々なドラマが巻き起こることは間違いない(杠救出や科学技術復活の過程ではむしろそういう人間ドラマこそが主に描かれることになりそう)と思うので、ずっと味方とも限らないんだろうなという不安感もあり。とにかく先が気になります。あと大樹と千空が少なくとも小学校低学年以来の友人で、千空がいじめっ子から守ってもらっていたらしいということが分かりました。やっぱりこの二人、ずっと昔からの大親友だったんですね。だからこそ数千年の時を超えても続いた信頼関係、アツい・・・。
ところで、かつて日本だった土地でライオンが野生化してるわけですが、動物園から逃げ出した程度の頭数から繁殖を始めたとして、数千年もの長きに渡って種を維持できるものなんですかね。まあライオンのいる動物園なんて全国各地にあるでしょうから、絶対無理ってこともないんでしょうが。あんまり気にしても仕方ないことですねこれ。
◇『鬼滅の刃』第54話「こんばんは煉獄さん」
何もかもが完全に最高・・・。扉絵の煉獄さんがめちゃめちゃ格好良いです。元々目つきに特徴のあるデザインですが、この全てを見通すような眼光の威圧感には素晴らしい迫力があると思います。
列車を初めて見た時代遅れ野生児の「面妖な鉄の怪物め!」ムーブ、伊之助だけかと思いきや炭治郎までブッ込んでくるとは思いませんでした。まあ炭治郎も山育ちで人里には炭売りでたまに降りて行く程度だったようですから、見たことがないのは納得ではあるんですが。けど炭売りの息子なら汽車くらいは知っててもいいような気もします。善逸がツッコミ及び一行のお守役に回らされているのがすごく新鮮に見えます。まあ善逸の面白さって、理不尽な窮地に陥ったときの抜群の言語センスによるキレツッコミ芸(言語センスが尖りすぎててそれ自体が面白いタイプ)なので、やってる事はわりといつも通りではあるんですが。
炎柱の煉獄さんから"呼吸"の種類と刀の色の関係について少し説明がありました。ていうか煉獄さん、禰豆子の件さえ片付いたらめちゃくちゃ親切な人ですね。こういう切り替えの早い人は個人的に大好きです。その属性の一般的なイメージカラーが概ねそのまま刀の色になっていると憶えておけば良さそうです。炭治郎の黒い刀については「どの系統を極めればいいのかもわからないと聞く!」と言っています。伝聞調であるということはおそらく煉獄さんも先達からそのように伝え聞いたということであり、つまり煉獄さん個人に限らず鬼殺隊全体においても、黒い刀はどう扱えば良いものかイマイチ分からず、持て余すような代物らしいと。これ、つまり黒は「万能の色」ということなんじゃないかという気がするんですよね。「黒」は物体色の三原色すべてを均等に混ぜることで生じる色ですから、「すべての属性の力を満遍なく扱える素質を持つ万能の戦士」がこの色になるんじゃないかと。そして万能の黒であるがゆえにいずれか一つの属性を完全に極める(=黒以外の色になる)ことはできず、だからこそ「黒刀の剣士が柱になったのを見たことがない!」という顛末になってきたのではないかなと。炭治郎の刀が黒く変じたのを見た鱗滝さんがなんとも微妙な反応をしたのも、黒というのがそういう扱いづらい色であるというのを知っていたからなのかなと思います。まあ属性の色は措いとくとしても、黒ってのは「炭」の色でもありますから、そういう意味でも炭治郎に似つかわしい色なんだよなということを改めて思いました。
そして早速、下弦の壱の鬼が現れました。すでに術中、詰んでいる感が否めない・・・。夢のなかで殺すというのがとてもジョジョ第3部の『デス13』っぽい。あいつマジで強いですからね。どうやって倒すんでしょう。
◇『僕のヒーローアカデミア』No.130「聞け真相」
バブルガールの下乳に完全にやられ申した。次のNo.1ヒーローはバブルガールに決定です(暴論)。オーバーホールの個性はやっぱり治療でしたね。肉体の隅々まで直してくれるようです。自分自身に使えれば不死もワンチャンあるのでは。
オールマイトとナイトアイのコンビ解消、こういうワケだったんですね。これはたしかに後継者であるデク相手といえども話そうとは思えないでしょうし、合わせる顔がないという気持ちも分かります。しかしこれ、ナイトアイとしては非常にやりきれないところでしょうね。オールマイトが「平和の象徴」として世界を守ることを自認するような最高のヒーローだったからこそ彼は憧れ、そして未だに敬愛し続けているのでしょうし、そんなオールマイトがそう易易と引退するはずはないということも分かっていた(だからこそ、戦い続けた末の凄惨な死がきわめて確実な"予知"として見えてしまった)のでしょう。自分の憧れた最高のヒーローは、最高のヒーローであるがゆえに惨たらしく死ぬ運命にあり、自分はすでにその死に様を見てしまっているというこの残酷さ。そりゃこんな話が誰にも言えませんわね・・・。
◇『左門くんはサモナー』第73話「左門くんはお先に失礼する」
掲載順位が非常にまずい感じです。たぶんシリアス編に入ると順位落ちる感じになるんでしょうね。
ゾロアスター教の悪魔たちには頼れない、言われてみれば確かに・・・という話でした。僕なら絶対釣られてました。左門くん賢い、というかこういう気の回り方もアンリへの愛ゆえということなんでしょうね・・・。
サルガタナスとルキフグスの二人を同時に相手取るのはマステマでもヤバそうです。てっしーが去ったうえにプラモを人質に取られたルキフグスは特に危険そう。持ってる刀はまた「雷切」なんでしょうか。日本刀ブームは続いてるようですが、他の宝具も見せてほしいという気持ちもありますね。対マステマ特効宝具、探せば普通にありそうですが。戦闘時の描写が以前よりも少しずつ丁寧になっているというか、単純に線数が増えてるように感じます。もともとがマットでかっちりした絵柄なので、泥臭い迫力を求めるよりも描き込みの緻密さで格好良く魅せる方向のほうが向いているように思いますし、わりといい感じなのでは。
で、いよいよ左門くんとネビロスの関係が明らかになるようです。ネビロスに対して(明らかに年齢不相応なくらいに)丁寧な敬語を遣う左門くん、やはり闇が深そうなんですよね。祓魔の家系に生まれたという以上の彼の詳しいバックボーンも一緒に明かされるといいんですが。
一言感想
◆『火ノ丸相撲』第137番「例外」
蛍が桐仁を呼び捨てにするの本当にアツいですね・・・遠慮のない「対等のチームメイト」感・・・。澤井くん、体格がどうのこうのという今更すぎる話題をダチ高に吹っかけてくる事自体がもうかなり周回遅れ感があるうえに、桐仁の言うとおり本当に口が臭そうなのでクリティカルヒットで桐仁の勝利確定って感じです(何のことかわからないやつはフリースタイルダンジョンを観ろ)。
◆『ハイキュー!!』第246話「夜」
叶歌ちゃん世界一カワイイですね・・・スタイルも良すぎる・・・絶対に幸せになって欲しい・・・。それにしても、こんなにあからさまに脈アリで死ぬほど魅力的な幼馴染に靡くことなくフることができる龍ちゃん、マジで格好良いですよね。どんだけ潔子さんにゾッコンやねんという。これがメキシコの大地でも生き残ることができる真の男ってやつなんでしょうな(何のことかわからないやつは「逆噴射聡一郎」でウェッブをけんさくしろ)。よく分からん流れで失恋っぽい感じになったのにメゲずに闘志を燃やす叶歌ちゃんもすごく格好良いです。
◆『ぼくたちは勉強ができない』問7.「かくして天才どもは[x]を楽しむ」
俺は一体何を見せられているんだ・・・。「水泳への集中力を勉強に活かす」の結果としてこういうレクリエーションが生まれること自体はともかくとして、この勉強(?)方法が成功裏に終わっている理由が理解できませんでした・・・。まず単語の意味を記憶していなければ正解のボールを掴むことはできないわけですから、「記憶する」という段階では集中力は何の関係もないように思うんですよ・・・。助けてくれ・・・。まあこの漫画は少年漫画誌水準の乳と尻を見るためのアレということで良いんでしょうな・・・。
◆『約束のネバーランド』第31話「空虚」
エマさん怖い・・・殺さんといて・・・。ノーマン脱落による失意のまま2ヶ月ほどが経過し、レイも間もなく出荷(というかレイが早々に戦意を無くしてしまったのがかなり意外です)というところまで来てしまったようで、読者としてはもう絶望の波状攻撃やがなという感じなんですが、事ここに至ってもまだエマは勝負を諦めていないようです。明らかに人格的な変化があったっぽいエマは今後どういう戦い方をするんでしょうか、楽しみです。
◆『U19』第6話「ヒーロー」
『ストーン・フリー』だこれー!と思ったらまさかのバンテージを巻いただけの通常パンチ。地味すぎる。針で刺したほうが強そう。ていうかね、結局こうして学校内でリビドーを使って大人を思いっきり攻撃するんなら、どうして第1話で殴っておかなかったんでしょうか。第1話で幼馴染の拐取を阻止するために大人たちを攻撃してしまうけど結局止められず、その場は委員長の手引きで逃げ遂せてガレージキッドと顔合わせをして、その後は次週以降展開されるのであろう「大人を殴った後の話」に繋げてしまえば良かったのではないかと思います。まあ仮にそのようにプロットを仕立て直したからと言ってこの作品がただちに面白くなったとも思えませんが・・・。悪役たる大人たちの格の低さ・大人党躍進の経緯に関する設定のガバガバっぷり・異能バトルに関しては面白さや格好良さが未だに全く見て取れないなど、詰めの甘い部分が多すぎるので。次回作では頑張ってください、という他ありません。
今週の感想は以上です。
ここまでお付き合い下さり、ありがとうございました。
それでは。