『BLEACH』第635話「Hooded Enigma」の感想・考察
こんにちは。ほあしです。
今週の『BLEACH』の感想です。
『BLEACH』第635話「Hooded Enigma」の感想・考察
バズビーとともに『真世界城』に侵入していたリルトットとジジでしたが、なんとすでにユーハバッハと戦闘に入っていたようです。現在のユーハバッハは、ハッシュヴァルトとの「力の交換」が起きているはずですから、『全知全能(the Almighty)』は使用していないと考えられます。本来ハッシュヴァルトが授かっている聖文字”B”を使ったか、普通に霊子の弓矢で戦ったか、あるいはその両方を用いたか、といったところでしょうか。リルトットらが物理的に傷を負っているらしいところを見ると、どうも弓矢で戦ったように思われますが。
また、『死者(the Zombie)』の聖文字を持ち、太刀傷程度の出血では死ななかったはずのジジが倒れ伏していますが、おそらく彼(彼女?)はここまでの戦いで血を失いすぎていたのではないかなと思います。地上で『聖別』が行なわれる間際、ジジはゾンビ化させたバンビエッタの肉を貪って血液を補給していましたから。こういう行為に及ぶということは、つまり彼が完全な不死身などではなく、あまりにも血を失いすぎれば当たり前に死んでしまうのだということの何よりの証だと思います。今週のジジがすでに死亡しているのかどうかは分かりませんが、少なくとも行動不能にはなっていますし。
ところで、ユーハバッハとハッシュヴァルトの「力の交換」については個人的にひとつ疑問があって、それは「ひとつ残らず全ての能力がそっくりそのまま交換されるのか?」という疑問です。今週のハッシュヴァルトの言動を見るに、少なくとも『聖文字』能力については間違いなく交換されていると断言してよいと思うのですが、滅却師の基礎的な能力である『霊子の収束能力』まで交換されているのか、というところはまだよく分からないんですよね。先週までのハッシュヴァルトの戦いぶりを見た限りでは、彼は霊子兵装を展開していません。もしも彼らがお互いの「全ての能力」を交換しているのであれば、そのあいだに限ってはハッシュヴァルトは霊子兵装の展開が可能になるでしょうし、逆にユーハバッハは霊子兵装を展開できなくなると思うんです。とはいえ、彼らの能力の中で最も強力なものはやはり『聖文字』でしょうから、霊子兵装に関する力は戦闘行為においてそこまで重要ではないだろうとも思うんですけどね。
独り歩くハッシュヴァルトの眼球に、三つの瞳が現れます。ユーハバッハの『全知全能』が本当に彼に宿っているようですね。ハッシュヴァルトの口ぶりからして、どうやら彼にもこの戦いの行く末、「未来」が視えているようです。「酷な力」というのが誰にとって「酷」なのかは、ハッシュヴァルトが視た「未来」の内容が分からない限り判断のしようがありませんが、「未来」というのも〈千年血戦篇〉を読む上でのキーワードになっていますから、この能力がどういうドラマを生むのか楽しみです。
深読み2 ~「滅却師の未来」に関する幾つかの覚書~ - Black and White
今週のタイトルは「Hooded Enigma」です。直訳すると「フードをかぶった謎の人物」といったところですか。正体不明の「親衛隊」隊員、ペルニダ・パルンカジャスのことでしょう。いよいよこの人物(どう見ても人間ではなさそうですが)の正体が明らかになりそうです。ワクワクが止まりません。
場面が変わって、市街地を駆ける戦士たち。ジェラルドは人のいない区画に当たってしまったようです。彼の聖文字『奇蹟(the Miracle)』は現時点まで一度も披露されていませんから、誰と戦うことになりそうかの予想すら難しいですが、楽しみにしておきましょう。現時点で誰とも遭遇していないということは、今後展開される戦闘のいずれかに乱入するようなかたちになるのかなと思います。
グリムジョーらを見失った一護たちに隠れてコーヒーブレイクに入ろうとするナックルヴァールですが、グリムジョーを振り切ることはできていなかったんですね。彼は地上ではサンドイッチ片手にグレミィvs剣八戦を見物していましたし、もう完全にピクニック気分としか思えません。まあ彼の聖文字『致死量』は正面きって敵と心身削り合う戦いを要するようなものではありませんから、こういう「時間潰し」ができるようなものを欲しがるのも分からないではありませんが。グリムジョー相手に逃走劇を演じられるほどに逃げ足が速いというのも、一つには時間稼ぎの手段としての意味合いがあるのかもしれません。
ナックルヴァールが「ギフト」と言って放ったものは、毒物の塊でした。調べてみると、ドイツ語における”Gift”という言葉には本当に「毒物」という意味があるんだそうです。どこからどうやって放ったのかは分かりませんが、おそらくは彼の滅却師能力によって撃ち出されたものなのでしょう。こうして毒物を浴びせてしまえば、あとは『致死量』の操作を行なって相手の死を待つだけです。ここからグリムジョーが挽回するチャンスはあるんでしょうか。手で触れただけで立っていられなくなるような毒物のようですから、すでにかなり危険な状況だと思われます。ただ、破面は『帰刃』による回復が可能ですから、もしかしたらそれによって一度は立て直せるかもしれません。
また、ここでナックルヴァールが放った「ギフト」ですが、彼の初登場時に一度描かれていましたね。また、このとき彼は「毒」という単語を強調した言い回しをしてもいます。彼の能力の概要は、この時点ですでに準備されていたものと考えてよいでしょう。また、彼の口癖である「致命的」という言葉自体が、英語では”death-dealing”という単語にあたる言葉です。こういう何気ないセリフや言い回しのなかにヒントをちりばめているあたり、さすがと言わざるを得ませんね。
再び場面が変わって、『真世界城』を目指す護廷十三隊の一行と、それを見据えるリジェ。体力などの差によって行軍から零れ落ちていく隊士を一人ずつ確実に仕留めていくという、まさに狙撃手といった戦い方です。ここまでの戦いで満身創痍だった檜佐木がまず撃ち抜かれましたが、彼の卍解が日の目を見るときは果たしてやってくるんでしょうか。おそらく彼は卍解を修得しているのだろうと思うのですが、いまのところほとんど活躍できていません。また、彼の卍解修得に協力していた白(ましろ)も安否が分からないんですよね。この霊王宮攻略に合流していないということは地上に残っているものと考えられますが、果たして生きているのか。『仮面の軍勢』のなかで唯一地上に残っているのが彼女ですから、何かしら活躍する機会が生じそうではあるんですけどね。
みたび場面が変わって、剣八と涅のコンビがペルニダと遭遇しました。正直、この二人が協力すれば勝てない奴なんていないだろうと思うんですが、この二人の性格でまともな共闘関係を築けるとは思えませんから、捕らぬ狸というやつですね。しかしペルニダの『強制執行(the Compulsory)』も相当に無敵くさいですし、手加減とか手心とかいう概念を持ち合わせているとも思えませんから、最終的には二人ともが死力を尽くす死闘になるんではないかなと期待しています。
剣八が腕一本と引き換えにペルニダの頭部(があるはずの部位)を斬りつけましたが、全然効いているように見えませんしむしろ完全にアカン態勢に入っちゃってますね。頭を斬り裂いてもダメージが無く、フードごと頭部が膨らむというのはどういうことなんでしょうか。もしかして虚かなにかなのかなとも思うんですが、それを裏付けるような描写が特にあるというわけでもないので、答えはまだ出せそうにありません。
ユーハバッハに制圧された霊王宮で、いよいよ最後の戦いが始まるといった感じですね。今回、雨竜の動向が一切描かれていないのが気にかかりますが、「雨竜が単独行動している場面を下手に描いてしまうと彼の内心や思惑に触れざるを得ないから」という作劇上の都合が多少あるのかなと思います。彼の真意をここまで語らずにきたのは意図的なものでしょうから。いずれにせよ、次回が楽しみです。
今週の感想は以上です。
ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。
それでは。