Black and White

『BLEACH』を愛して止まない男・ほあしが漫画の話をします。当ブログに掲載されている記事の無断転載を固く禁じます。

『BLEACH イラスト集 JET』発売記念 久保帯人先生サイン会 超個人的レポート

こんばんは。ほあしです。

たいへんご無沙汰しております。

タイトルの通り、去る2月2日、『JET』発売を記念して開催された久保帯人先生のサイン会に行ってまいりましたので、個人的なレポートのようなものを書いてみます。ただ、サイン会に至るまでのほあしくん個人の動向や感情なども含めた本当に個人的な体験記なので前置きや余談がクソ長く、しかもかなり自慢みたいな話も出てきてしまいます。そこだけはあらかじめご承知おきください。

あと、たぶん文章だけだと会場内の様子はあんまりよく分からんと思うので、「サイン会 レポ」などでツイート検索してみると図解付きで説明してくれてるツイートが見つかると思いますので、お前の説明よくわからんわという方はまあそんな感じでお願いします。

 

 

サイン会前日のほあしくん

 わたしは夜行バスを使ってサイン会前日の早朝に東京入りして、ホテルに一泊してから会場に向かうというプランで行ってきました。新幹線で当日入りして土壇場で交通機関のアレに巻き込まれて遅刻!死!なんてことには万が一にもなってはいけないので、とにかく時間的な余裕をもって行動したかったんですね。とはいえ、ぶっちゃけ前日のうちは特にやることもないので、昼間のうちは映画などを観に行ったりして過ごしていました(『マスカレード・ホテル』がめちゃめちゃ面白かったのでみんなも観てほしい)。

 ただ、このときほあしくんには一つの心配事があって、実は事前に郵送されてきた招待状の注意事項欄には「作中で描かれていない内容に関する質問はご遠慮ください」というような文言があり、つまりこれは「サイン会のなかで久保先生に対して直接質問ができる瞬間がある」ということを意味しているわけで、BLEACH世界のことを全部知り尽くしたいほあしくんとしては、ここでどんな質問をしようか、考えないわけにはいかないんですよね。で、せっかく時間的余裕をもって東京入りしていたので、Twitterで仲良くしてもらっているとあるBLEACH大好きおじさんの友人に声をかけ、「どんな質問ならNGラインを回避して回答を得られるだろうか」というのを相談させてもらったりしてました。ただ、この時点では、サイン会の全体の流れだとか質問をするときの形式だとかも全く分からなかった(詳細は伏せますが、サイン会の会場がとんでもなくセレブでリッチでゴージャスでファビュラスな物件だったという事情もあって、なにか通常のサイン会とは大きく異なる形式になってたりするのでは?という疑問が生じたという事情がありました)ので、ここでは質問の候補をいくつか残すに留めておいて、まずは会の流れや他の人たちの質問などを慎重に観察しながら臨機応変に立ち回る必要があるだろうという結論になりました。慎重かつ臨機応変な立ち回りが要求されるサイン会ってなに???

 というわけで、翌日も早めに行動を開始したかったので22時頃には解散して、わたしはホテルに戻りました。夜行バスであまりしっかり眠れていなかったこともあって結構すんなり寝付くことができたんですが、なぜか3時間ほどで目が覚めてしまい、結局そこからは一睡もできませんでした。精神年齢が小学2年生なのでこういう愚を犯す。でもね、「明日、お前にとっての神と直接対面させてやる」と言われた人間はもう絶対こんな感じになると思うんですよ。平静を保てるわけがない。

 

サイン会当日 開場まで

 極度の緊張と興奮と睡眠不足で確実に頭がおかしくなっているのを感じつつ朝を迎え、やはりかなり早めに動き出しました。「整理券を配布する」との旨が招待状に記載されていたので、開場時間よりも早く向かうべきだと判断したためです。都内某所(サイン会の当日、主催者側から「会場がバレるような情報は出さないでね」と繰り返しアナウンスされたので「某所」とさせてください)のサイン会会場にわたしが着いたのが9時半くらいだったのですが、意外と人がおらず、本当にここでいいんだろうかとちょっと不安になったりしてました。会場とされているはずの物件には催事内容が明記されておらず「御予約席」としか書かれていなかったのも怖かったです。まあ催事内容を掲示することで不特定多数の人々にサイン会会場を知られてしまうことを避けるための措置だろうというのは察しがついたので事なきを得たのですが。とりあえずなにか動きがあるまでは待とうと思って会場前を当て所もなくウロウロしていると同じくサイン会参加者の方が声をかけてくださり、それ以降は順次いろんな方とBLEACHについてアレコレおしゃべりしながら待つことが出来ました。相手をしてくださった皆さん、本当にありがとうございました。

 開場前の様子としては、関係者と思しきスーツの人達が時折会場を出入りしているのを眺めることができました。関係者の皆さんはスーツのどこかしらに「九番隊の副官章を模したスタッフ証シール」を貼り付けており、そのなかには現在の久保先生担当編集である村越さんのお顔も見えたので一見してすぐに見分けることができました。伝え聞いた話によると、スタッフ証が九番隊の副官章なのは「きょうは瀞霊廷通信の編集者(=檜佐木の部下)として働いているので九番隊なんです」というシャレだったようなんですが、この遊び心、マジで世界一かわいくないですか? 発案した人にノーベルかわいいで賞をあげます。

 整理券の配布が行なわれたのは結局は開場の直前でした。整理券をもらった人から順番に、サイン色紙に書いてもらう宛名を書くよう指示されました(ちなみにわたしは整理番号002をもらいました、なぜならBLEACHの世界では数字が小さい方が強いので)。この宛名については「本名に準じるもののみ可、ハンドルネームやあだ名は不可」という指定がありました。転売防止という面が強いのだと思われます。ただ個人的には、転売うんぬんという話を抜きにしても「久保先生に自分の本名を書いてもらえる」という体験はマジでヤバいやろと思ったので、迷わず本名フルネームを宛名にしました。わたし、実は「ほあし」というのが普通に本名なんですが、漢字で書くとやや難読(というか、字そのものは「帆足」と書くのでめっちゃ簡単なんですけど、あまりポピュラーな苗字ではないので初見だと咄嗟には読みにくいというなんか微妙な面倒くささ)なので、一応読み仮名も振っておきました。ただ宛名を書くだけなら別に読み方が分からんでも問題ないんですが、せっかくなら正しく読んでもらいたいので…。

 整理券配布&宛名指定の手続きが始まってからまもなく開場となりました。会場のレイアウトとしては、久保先生が登壇するステージの前に記者会見のごとくズラーッと参加者用の椅子が並んでおり、その後方にはかなり広めのスペース(会場全体の半分ちかく)が確保され、これまで描かれてきたBLEACHのカラーイラストが10~15枚ほど厳選して掲示されたギャラリーのようになっていました。イラストの内訳としては、とりあえず『JET』のために描き下ろされたイラスト5点(ヤンキーのやつ2枚、女性陣の水着のやつ、バンビーズがソファに座って映画見てるやつ、一勇と苺花が中学生になってるやつ)についてはすべて掲示されていました。ただ、特別大きなサイズになっていたイラストが一つだけあって、それがBLEACH連載10周年記念の巻頭カラーで描かれた立食パーティーのやつでした。というか、連載10周年記念で開催された「原宿卍解祭」で展示された巨大タペストリーの現物だったようです。あの絵はめっちゃ好きなので本当に興奮してしまった。開会まで30分ほど時間があるので後方のギャラリーを観て楽しんでね的なことだったんですが、「いやこんなんもう実質BLEACH展やん!!!!!」となって完全に発狂してしまいました。BLEACH展、マジでやってほしいですね。

  ギャラリーを一頻り眺め終わったあとは、開場前に話していた面々でまたおしゃべりしながら開会を待っていました。あとこの会場内、BGMとして「BLEACHの各キャラクターのテーマミュージック」が流れ続けており、またステージ上でも「BLEACH ENDLESS MEMORIES」を用いて制作されたムービーが絶えず流れていました。おしゃべりしながらムービーを観て「あ~~このシーンのね~~このセリフがねぇ~~~~」みたいなことをずっと言ってました。BLEACHのなかでもとりわけ印象的なシーンをめちゃくちゃ格好良い編集でまとめた映像が無限に供給されてくる世界最強の空間がそこにありました。

 

サイン会当日 開会

 いよいよ開会です。会の進行役は、かつて久保先生の2代目の担当編集を務め、現在は週刊少年ジャンプの編集長を務めている中野博之さんでした。中野さんのほかにも、会場でスタッフとして動いている面々の多くが歴代の久保先生の編集者だったようです(わたしはメディア露出が比較的多い村越さんくらいしか分かりませんでした…)。

 中野さんに呼ばれて、久保先生がステージの後ろから現れます。当然なんですがこの瞬間はもう割れんばかりの拍手喝采で、ちらほらと嗚咽も漏れ聞こえてきており、わたし自身もこの段階ですでに涙目でした(久保先生の姿をしっかり目に焼き付けたかったのでグッと堪えましたが)。久保先生はadidasの黒いパーカーにモスグリーンのジャケットを羽織った非常にカジュアルな服装でめっちゃ可愛かったです。ただ、とにかく久保先生のお顔を見ることに必死だったので、ズボンや靴がどんなんだったか一切記憶に残ってないんですよね。しっかり目に焼き付けるとはなんだったのか。

 挨拶のためにマイクを手渡された久保先生は「サイン会に来てくれてありがとうございます。昨夜は緊張であまり眠れなかったので、今ちょっと気持ち悪いです。なので皆さんはあんまり緊張しないでください、伝染るので」とおっしゃっていて、自分たちファンだけじゃなく久保先生のほうも緊張していたのかとめちゃめちゃビックリ&ほっこりしました。でも緊張しないでというのはさすがにどう頑張っても無理なんですよね。「神との対峙」なので…・

 挨拶が終わってすぐサインの受け渡しが始まりました。手順としては、さっき渡された整理券の番号順に10人ずつまとめて呼ばれ、そのまとめて呼ばれた10人はまあ順不同で適当に並び、この順番でサインを受け取っていく感じです。このとき、サインを書いている久保先生と直接お話できる時間が一人あたりざっくり1分くらいあるので、訊きたいことがあれば質問してもよい(ただし久保先生の隣には現担当の村越さんがいて、回答しても良いかどうか適宜NG判定が行なわれる)という。整理券の数字がそのまま受け渡し順になるのではなく、待機列を10人ずつで区切るために整理券を配ったという感じですね。伝わりますかねこれ。まあええわ。

 で、先述した通り、わたしの整理番号は002なので、一番最初の10人になってしまったわけですね。つまりこの時点で他の人たちの質問を慎重に観察して臨機応変に立ち回るとか完全に無理やんけとなってしまいました。早めの行動が完全に裏目に出た。せめてもの悪あがきとして10人のなかではちょっと後ろのほう、5番目か6番目くらいに並ぶことにして様子を窺っていたんですが、そもそも久保先生が座っているテーブルにはスタンドマイクなどが無かったため、他の人が久保先生と話している内容はほとんど聞こえない状態だったんですよね。BGMの音量がもう少し小さければ聞こえるかも、くらいの絶妙なアレだったので、もしかしたら「シャイな人でも久保先生と気がねなく話せるように、周りに声を聞かれにくくなるよう調整した」ということだったのかもしれません。ただ、テンションが上って少し声のトーンが上がれば普通に聞こえる感じだったので、ファン側が用意してきたプレゼントやファンレターに久保先生が喜んでくれたときなどはその雰囲気が周りにもしっかり伝わってきて、なんというか、ステージ上で交わされる喜びのオーラが程よく会場に共有されるという、本当に最高の空間でした。

 そうこうしている間にわたしの順番が回ってきました。口から心臓を吐き出してしまいそうなマジでわけの分からん緊張状態のままステージへ歩いていき、「はじめまして、こんにちは、よろしくおねがいします」とほとんど呪文のように唱えながら、宛名として本名を書いた紙を机上に置きました。

 で、ですね。宛名を見てわたしの本名フルネームを読んだ久保先生が、ちょっと本当に信じられないことをおっしゃったんです。

 

「あっ、ほあしくんじゃん」

 

 何が起きたのか全くわからず、わたしが「えっ??」と聞き返すと、久保先生は「ほあしくんってさ、ブログやってるあの「ほあし」くんだよね?」と。

 シラを切っても仕方がないので「あっ、はい、そうです…」とわたしは答えました。久保先生はさらに続けて「以前、友達から『BLEACHのこと書いてるすごいブログがあるよ』って教えてもらって、実際読んでみたら本当にすごくてビックリしたんだよねぇ。あの一護の名前をスペイン語で読み替えるやつとか、あれ気づいたのたぶん本当にキミだけなんじゃない?」と、わたしの目をまっすぐ見つめて、少し微笑みながらおっしゃって下さいました(一護の名前をスペイン語で読み替えるやつの記事はこちら)。

 さすがに堪えきれなくなって、少しのあいだ涙が止められませんでした。こんなに幸せなことがあって良いんでしょうか。ただただBLEACHが好きという一心でやっていたこのブログがまさか久保先生ご本人にまで届いていたなんて、まったく想像だにしていませんでした。ユーハバッハがわたしを殺しに来る「最も幸福な瞬間」があるとしたら間違いなく今ここに違いないという確信がありました。他にも個人的に非常に嬉しい言葉をいろいろと掛けてくださったんですが、せっかくなので、それらはわたしと久保先生の二人だけの秘密ということでオフレコにさせてください。あ、質問についてなんですが、結局「銀城空吾の年齢をおしえてほしい」ということをお願いしてみました。いろいろ考えながら読んでいると、銀城の年齢(というか、彼の人生全体のバックボーン)に関する情報がどうしても欲しくなってくるので。銀城の「詳しい設定」を訊くと絶対NGになると思ったので、非常に基本的なプロフィールである年齢のみに絞って訊くことでNGラインを掻い潜ろうとしたわけです。考え方が薄汚い。でもまあ、結局はNGとのことで教えてはもらえませんでした。残念!

 サインを受け取って席に戻ったあとのことは、正直あまりよく覚えていません。なにか脳みそがフワフワとしたような状態で周りの方とおしゃべりをしつつ、サインの受け渡しをただただ眺めていた気がします。この場にいるすべてのファンが本当に色々なかたちでBLEACHと久保先生への愛情を表現されていることへの嬉しさがずっと胸にあり続けている、本当に幸せな時間でした。

 

閉会

 約2時間ほどですべての参加者へのサイン受け渡しが完了し、ふたたび拍手喝采に包まれながら久保先生がステージ奥へ退場しました。進行役の中野さんから締めの挨拶があって、「これからもBLEACHを好きであり続けてほしい」というメッセージを頂きました(すいません、これは正確な文言を失念してしまったのでニュアンスだけです、精神的に著しいショック状態にあったので許してください)。

 閉会後は前日夜に相談させてもらった方と再び落ち合ってサイン会の感想などをお話しさせてもらって、夜には新幹線で東京を発って帰路に就きました。

 今回頂いたサインは、額縁に入れて部屋に飾ってあります。色紙を見るたびに本当に幸せな気持ちになります。生きててよかった、BLEACHが好きでよかった、久保先生が好きでよかった、そういう気持ちでいっぱいです。このサイン会を企画してくださった久保先生、ならびにジャンプ編集部のみなさま、本当にありがとうございました。

 

 以上でレポートを終わります。本当に個人的な話ばかりで申し訳ない。また久保先生関係でなにかあったらブログを更新すると思いますので、引き続きよろしくお願いします。

ではまた。