Black and White

『BLEACH』を愛して止まない男・ほあしが漫画の話をします。当ブログに掲載されている記事の無断転載を固く禁じます。寄稿のご依頼などはhoahoahoashi@gmail.comまでどうぞ。

『BLEACH』第629話「Gate of the Sun」の感想・考察

こんばんは。ほあしです。

今週の『BLEACH』の感想です。

 

BLEACH』第629話「Gate of the Sun」

 先週のユーハバッハの言葉を受けたハッシュヴァルトの台詞から始まりました。「陛下の御眼に映る未来」という言い方からも分かるように、この『真世界城』という名前はおそらく、ユーハバッハがその『全知全能』の眼で未来を視通したことによって見出された名前なのでしょう。現在のユーハバッハには、「この城が『真世界城』と呼ばれ、新たな世界の礎となっている未来」がすでに視えているようです。これはつまり、これから起きる戦いの行方も彼はすでに視通しているということでしょう。親衛隊らの戦闘の結果がどうなるかは別としても、『全知全能』の未来視によってユーハバッハが知った”力”はすべて彼の味方をするわけですから、少なくともユーハバッハ本人を倒そうとするのはいよいよもって不可能ということになりそうですね。ユーハバッハにも視通せないような「何か特別な力」の持ち主でも現れない限りは。そしてそれはおそらく一護か雨竜ということになるのでしょう。

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久保帯人BLEACH』67巻159頁)

 

 あと、先週のハッシュヴァルトが「陛下」という尊称を用いずにユーハバッハを呼んでいたことについて少し突っ込んだ見立てをお話ししましたが、今週は普通に「陛下」と呼んでいますね。ユーハバッハは『真世界城』のことを「我等の国家」と表現していましたから、「帝国」という看板こそ下ろしたかもしれませんが、国家の長に対して「陛下」という言葉が引き続き用いられるのは当然ではあります。やはり早合点はよくありませんね。

 

 今週のタイトルは「Gate of the Sun」です。言うまでもなく、滅却師らが「見えざる帝国」と尸魂界との往来に用いていた通行路「太陽の門」を指します。お忘れの方もいらっしゃるかもしれませんが、「太陽の門」という言葉はすでに一度登場しています。これについては、以前、『BLEACH』における「太陽」や「月」というモチーフについてお話ししたときにも触れましたね。「太陽」というのが尸魂界を象徴するシンボルになっている、という話でした。

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久保帯人BLEACH』56巻7頁)

 

 『真世界城』の中心に姿を現した銀架城(ジルバーン)へ向けて出発した隊長格一行ですが、涅と剣八は単独行動をするつもりのようです。涅の顔芸が面白すぎますね。涅の言う「研究の成果」というのが一体どういうものなのか、現時点では分かりませんが、「俗物共に煩わされる事無く」という文言を見たかぎりでは、やはり一般的な倫理観・道徳観の持ち主にとってはあまり喜ばしくない類の研究なのかなと思ってしまいますね。この文言は、他の死神達が周りにいるとゴチャゴチャ言われるであろうことが目に見えているからこそ単独で行動したい、というふうに解釈できますから。また、剣八が他の隊長格らとはぐれてしまったのはあくまでも偶然のようですが、あえて合流しようという気も無いようです。

 

 ところ変わって、同じく銀架城へ向かう一護たち。一護もまた、夕四郎と同じように足場を作れず死にかけたようですね。滅却師の血を色濃く継いでいる一護でも足場を作れないということは、『真世界城』においては「ただ滅却師でさえあれば霊子を掌握できる」というわけでは無いようです。あくまでも「ユーハバッハの麾下にある滅却師」でなければ霊子を操作させてもらえないのでしょう。やはり相当難儀な戦いになりそうです。

 隊長格らとの合流を無駄だと断じたグリムジョーが独断で先行しようとし、そのままナックルヴァールに突撃します。ここからグリムジョーとナックルヴァールでサシの戦いになるのか、一護らも合流して多対一の戦いになるのかはわかりませんが、とりあえず戦いの火蓋が早くも切られました。親衛隊の頭数と一護たち+護廷十三隊の頭数を考えると、やはり多対一での戦いが多くなるのかなという気はしますし、実際、一護もすでに斬月に手をかけています。ただ、この戦いに限って言えば、グリムジョーが一護らの横槍を許容するかどうかがまず怪しい、という懸念がありますから、来週以降を楽しみにしておきましょう。

 

 場面が変わって、『真世界城』の中心に聳える銀架城、その頂上に到着した星十字騎士団の三人。彼らは「太陽の門」を利用することで、銀架城の至近へ直接移動したようです。ユーハバッハとともにハッシュヴァルトをも標的に定めている辺り、やはりハッシュヴァルトが星十字騎士団のなかでも特別な立場にあるのだということが窺えますね。それはひとえに「皇帝補佐」にして「次期皇帝」と目されていたからこそなのでしょうが、今週の最後のコマのような印象深い描かれ方を見ると、ハッシュヴァルトには「何か」がありそうだという気配をやはり感じますよね。それこそユーハバッハを押しのけてラスボスとして立ちはだかりすらしてしまいそうな、そういう凄みを感じます。実際、彼は、自分のことをユーハバッハと一対になった天秤の両翼なのだと明言していたりします。つまり、自分は「神」と等しい立ち位置にあるのだ、と。

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久保帯人BLEACH』63巻89頁)

 もちろん、彼はただただユーハバッハの補佐を務めているだけであって、この戦いにもユーハバッハの部下の一人として普通に身を投じていくという可能性の方が現状では大きいと思いますが。この点についても注目していきたいですね。

 

 あと、『真世界城』と「銀架城」という二つの単語が並び登場したことで若干の混乱を来している人がいらっしゃるかもしれませんので、これらの単語についての私なりの理解をお話ししておきます。

 『真世界城』とは、先週その全景が明らかになった「霊王宮の上に建造された、星形の巨大国家全体」を指す名前であり、ユーハバッハが「我等の国家」と呼ぶもののことです。これまで滅却師らが名乗ってきた『見えざる帝国』という名前に代わる、新しい「国家」の名前です。たとえば先週、ハッシュヴァルトは、「黒崎一護の一行と隊長格らが自分たちの国家に侵入した」という旨を報告をしたとき、この国家の名前を言い淀んでいましたよね。ユーハバッハはその言い淀みを引き受けるかたちで『真世界城』という名を告げたわけですから、この名前は、やはりこの「国家」全体を指した名前であると言えるわけです。

 それに対して「銀架城」とは、「『真世界城』の中心に現れたユーハバッハの居城」を指す名前です。この名前は、地上で『見えざる帝国』が展開されていたときにも一度登場していて、そのときもやはりユーハバッハが鎮座している城のことを指していました。このたび現れた「銀架城」と地上にあったときの「銀架城」は外観もほぼ同じものですから、これがやはりユーハバッハの「居城」のみを指す言葉であるということが分かるでしょう。

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久保帯人BLEACH』55巻98~99頁)

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久保帯人BLEACH』62巻160頁)

 『真世界城』と「銀架城」はどちらにも「城」という字が当てられていて、しかもユーハバッハが『真世界城』のことを何度か「この城」と表現していますから、現時点ではなかなか紛らわしい感じになってしまっていますね。しっかり区別していきましょう。

 

 今週の感想は以上です。

 ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。

 それでは。