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Black and White

『BLEACH』を愛して止まない男・ほあしが漫画の話をします。当ブログに掲載されている記事の無断転載を固く禁じます。寄稿のご依頼などはhoahoahoashi@gmail.comまでどうぞ。

『週刊少年ジャンプ』2017年14号の感想

こんばんは。ほあしです。

今週のジャンプの感想です。

 

◆『鬼滅の刃』第52話「冷酷無情」

 鬼舞辻無惨の圧倒的な非道さがこれでもかとばかりに描かれてますね。読心能力との併せ技で最悪の暴君キャラに仕上がってます。絶対こんなやつの下で働きたくない。少なくとも下弦の鬼程度の者から言われた言葉に関しては一切聞き入れるつもりがなく、鬼舞辻が考えたこと・解釈したこと・発言したことだけが全てに優先する・正当であるというきわめて暴力的な価値観があるようです。本物の悪鬼に相応しい邪悪さだと思います。変身能力による神秘性も相俟って非常に格好良い。しかもこれ、ここに姿を表していない上弦の鬼たちがどれほどトチ狂っているのかも垣間見えますね。読心を利用して理不尽の権化のごとく部下を殺しまくる鬼舞辻が長らく信頼を寄せているということは、上弦の鬼は全員「鬼舞辻に心を読まれても問題ないような人格の持ち主である」ということに他ならないわけですから。上弦の鬼たちは心の底から鬼舞辻に心酔し、その行動や言動を正しいものと信じて止まない連中ということです。絶対に人間と共存とかできなさそう。

 また、禰豆子の特殊性についても言及されました。鬼舞辻の呪いを自力で外しているというのはどういう事なんでしょうか。珠世さんは自分自身の体を弄りまくった末に何とか呪いを外す事ができたと言っていましたから、これはそう簡単に出来ることではないはずです。以前、珠世さんは禰豆子が鬼になっているにも関わらず凶暴性を抑えられている理由について「2年間ほど眠り続けていたのをきっかけにして肉体が変質したのではないか」という見立てを示してくれましたが、これもその一環なのかもしれません。いずれにしても、血の匂いで鬼舞辻を嗅ぎわける炭治郎と、呪いを外したことで鬼舞辻の索敵対象外の鬼となった禰豆子は、鬼の首領である鬼舞辻にかなり容易く近づくことが出来る切り札たりうる存在のようです。あとは本人たちが強くなるだけですね。

 下弦の鬼たちのなかで唯一生き残った夢見心地な下弦の一くん、やはり夢に関係する血鬼術を使ってくるんでしょうか。強そう。あと気になるのが、鬼舞辻の血を与えられたことで炭治郎の姿を幻視しているようです。鬼舞辻は、血を分け与えることで任意の知識や情報を与えることも出来るのかもしれませんね。めっちゃ便利そうです。

 

◆『左門くんはサモナー』第71話「左門くんはクソガキ」

 シリアス編その2が開幕しました。今度は"赤き竜"の支配者の一人・ベルゼビュートによってアンリ(髪を下ろしてる方が完全に私の好みでした)が拐取され、いままで仲良くしてきた六柱の面々が全員敵に回ってしまうようです。おそらく左門くんは、ゾロアスター教の悪神陣営の悪魔たちを中心に手を組む流れになるのだと思います(個人的には悪竜アジ・ダハーカとか出てきてほしいです)。アフラ・マズダー陣営とかむしろベルゼビュートに協力するパターンまでありそう。スキー編あたりから明らかに左門くんとアンリの関係描写に注力していましたが、これの前フリだったんですね。左門くんを盾に取られて即座に屈するアンリも、アンリに手を出されてノータイムでブチ切れる左門くんも、どっちも痛ましい。「お前はもう絶対に許さない」「もう」の部分が怒りの大きさを表していると思うんですよね。この2文字があることで「この先なにがあっても二度と許すことはない」というニュアンスが強調されています。マステマ編以上に本気で戦う感じになるんではないでしょうか。戦闘描写の軽さがマステマ編での不満点だったので、そろそろパンチの効いた戦闘を見せてほしいところです。

 

◆『火ノ丸相撲』第135番「バカとバカ②」

 兵藤くん、「相撲が好き」と言ってるわりには"つねり"とかやるのか・・・という失望が非常に大きいです。この行為、反則として具体的に定められているわけではないようですが、「相撲精神を汚す」という理由で反則に準じた扱いになる可能性が大きいらしいです。まあそれを言うなら蛍のエンドレス挑発作戦はどうなるんだという話ですが、蛍の場合は「ああする以外には勝ちの目が万に一つも存在しないから、ルール違反スレスレの卑怯で薄汚い戦法を"薄汚い"と自覚した上であえて選択した」というものだったんですよね。自分のプライドや名誉を自ら踏みにじってでも勝ちが欲しいという悲痛な決意があったからこそあの戦い方でも「見れた」んです。しかし兵藤くんの場合、この反則ぎりぎりの行為にさほどプライドが感じられないんですよね。しかも兵藤くんは体格に非常に恵まれていますし、普通に相撲を取っても十分以上に戦えるだけの鍛錬も積んでいるということも明言されています。こうした描写から、「特別な理由もなくただバカで卑怯なだけ」という印象になってしまうんですよね(人間性がわりと横暴らしいという言及が多いのもその印象に拍車をかけています)。チヒロ、こんな野郎に絶対に負けないでほしい・・・。

 

一言感想

◇『Dr.STONE』Z=1「STONE WORLD」

 新連載第5弾。『アイシールド21』の原作を務めた稲垣理一郎先生と『サンケンロック』のBoichi先生のタッグ。もう文句なしに面白かったです。ごく普通の日常生活から人類滅亡、数千年の時を経てサバイバルが始まるまでのテンポも素晴らしく、それでいてキャラクターたちのおりなすドラマの肝や目的意識までしっかり描かれていて、非常に続きが気になります。「滅亡した人類文明を復活させる」「石化してしまった愛する女の子を助け出す」という二つの目的があるわけですが、このチグハグさというか、壮大さと素朴さの両極端にあるような二つの目標が全く同じラインに載せられて違和感なく成立しているのが本当にすごい。とはいえ、大樹が杠に抱いている恋心のことを一概に「素朴」と言い切ることもできなくて、石化したまま数千年もの時間を生き永らえることができた原動力こそがこの恋心だったんですよね。一万年と二千年前から愛してるをかなり地で行くやつになってるわけですし、ある意味この世で最も壮大で、そして世界を救ってしまうかもしれない愛情とも言えそうです(千空一人だけではマンパワーが足りない」のですから、大樹の生存が世界再生のカギの一つなのだと言えるはずです)。そして大樹がそういう熱烈な恋心を抱いてしまうのも納得できるくらいに杠はいい子だというのも描かれています。高い実力が知られた作家二人の作品ということで元々期待はしていたんですが、期待を遥かに上回るものが出てきたという印象です。

 

◇『腹ペコのマリー』ペコ2「おれがあいつで・・・?」

 なるほどそう来たか・・・。肉体を共有した状態で「おれがあいつであいつがおれで」をやるのは結構珍しいパターンのように思います。ところでこの漫画における「バトル」というのはカンフーを使ったアレなんでしょうか。

 

◇『約束のネバーランド』第29話「潜伏②」

 ノーマン、やはり死を選んでしまいました。先週ノーマンが抽斗のなかで見つけた包みとペンはシスター・クローネが死の直前に遺したものだった(ツイッターでフォロワーさんから教えていただきました)わけですが、やはりあれを見たことでノーマンに何らかの心変わりが起こったのでしょうね。「子供たちの脱走に寄与する何か」らしいということしか分かりませんが、それを見つけた唯一人の子供であるノーマンが死んでしまってもそれは有効に働くんでしょうか。あるいはノーマンがママに何らかの揺さぶりをかけるのかもしれません。うーん、気になる。

 

◇『ぼくたちは勉強ができない』問5.「高嶺の天才は[X]に憂う」

 「武元さん 静かにしてください 勉強のジャマです」という親指姫のセリフが全てです。自分一人が勉強する気がないだけならまだしも他人の邪魔までするのなら、勉強会に参加されるだけマイナスだと思います。これまでほとんど交友関係がなかった相手の胸をいきなり公然の場で鷲掴みにして開けっぴろげにバストサイズの話をするなど、人間性もたいへんに下品です。とにかく受験勉強を急がなければならない(彼女らが受験に成功しなければ主人公の進路もかなり終わり申し始める)という状況を全く考慮に入れず「恋愛しろ」などと言い出すのも無神経すぎるので、もうプールから出てこないでほしい。こういう挙動を取ることがキャラクターとして魅力的で面白いと考えているのだとしたら、そのような感覚には全く相容れません。筒井先生、物語的な整合性を重視せずにエロシーンのパワーで押し切るタイプの成年向け漫画などを描いたほうがよほど適性がある(逆にキャラの感情に焦点を当てるようなエモ方向に少しでも舵を切るような作品は全く向いていない)のではないかと思います。絵の綺麗さ・女性キャラの可愛さだけは超一級なんですから。

 そして今回のお話をやるためだけに作られたのであろうイケメンスケコマシ型クソ野郎キャラも非常に不快感が強いです。「何のバックボーンも持たないキャラが取ってつけたように無から生えてきてトラブルを起こす」という場当たり主義の極致のような作劇手法が基本的に嫌いなのと、「顔が良くて女にモテるリア充男=敵」みたいな、非常にレガシーでオタクくさい発想に基づいたキャラ造型に絶望的にセンスが感じられないのと。2017年にもなってなんだそのキャラ造型は。主人公の株を上げるための当て馬として品性下劣なイケメンを置くってさすがにやり口が古臭すぎるでしょう。愛せる要素が何もない。

 そして冒頭、英語の勉強方法に関して非常に具体的な内容を伴ったセリフが出てきています。こういう描写があればヒロインたちが目標達成までにどれくらいの努力を重ねなければならないのかが読者の目にも見えてきますし、そうすればキャラクターへの肩入れもしやすくなってくるでしょう。まあこういう具体的な勉強内容の描写が今後増えていったとしても、今週の武元さんのようにキャラクターが不真面目な態度ばかり取っていては肩入れできるものもできなくなると思いますが。いや実際武元さんについては個人的に本当にビックリしていて、先週のラストでは「成幸の一番になってみせる!」と決意していたくせに、まさかその次の回でここまで不真面目全開で勉強の邪魔ばっかりしてくるとは思ってなかったんですよ。発言と行動が分裂しているとしか言いようが無い感じです。こういう雑さが保持されたままラブコメをやっても、あまり楽しいものにはならないような気がすごくします。

 

◇『U19』第4話「児童工作員(ガレージキッド)」

 今週までの内容を第1話としていたらまだマシだったかもしれないのにと思います(先週も同じようなことを言った覚えが・・・)。あまりにもスロースタートすぎるというか、第4話が終わった時点で異能バトルをほとんど全くやってない異能バトル漫画ってさすがに何なんですかね。しかもここまで説明を勿体つけておきながら、異能の正体に関しては「原理も理屈もわからん」と来ています。どうせ原理を説明しないんならもうさっさとバトルに入ってしまえば良かったのに・・・。何がしたいんだか全く分かりません。

 

 今週の感想は以上です。

 ここまでお付き合い下さり、ありがとうございました。

 それでは。