Black and White

『BLEACH』を愛して止まない男・ほあしが漫画の話をします。当ブログに掲載されている記事の無断転載を固く禁じます。寄稿のご依頼などはhoahoahoashi@gmail.comまでどうぞ。

『週刊少年ジャンプ』2017年18号の感想

こんばんは。ほあしです。

今週のジャンプの感想です。

 

◆『鬼滅の刃』第56話「目覚めろ」

 下弦の壱の鬼、「幸福な夢を見せながら殺す」という血鬼術を使うくせに名前が「魘夢(夢に魘(うな)される)」というのは皮肉っぽくて面白いですね。まるっきり悪夢やないか。

 煉獄さんの例を見るかぎりでは、夢そのものよりも無意識の領域のほうがその人の心のより深層に近そうな雰囲気がありますね。"精神の核"なるものがそこにあるくらいですから当然なのかもですが。煉獄さん、規則的に並んだ石畳がひたすら燃え盛っているという非常に無機的で殺風景な無意識を持っているようですが、この石畳の光景はもしかしたら誰しも共通だったりするのかもしれませんね。煉獄さんの夢に侵入した少女は「変な無意識領域」と言ってはいるものの、具体的な言及は「熱い」「燃えてる」という点のみで、風景自体についてはなにも触れていませんから。本来なら無抵抗に殺されるはずのところをぎりぎりで抵抗できてても何となく許せてしまうのは"柱"という立場の格の高さゆえでしょうか。

 変わって炭治郎の夢。水面に映った自分自身の警告でこれが夢であるということに気付かされていますが、これ、かなり奇妙な顛末ですよね。「夢に"気づいている炭治郎"と"気づいていない炭治郎"の二人に精神が分裂しているようだ」という解釈が普通に成立してしまいそうというか。気づいている炭治郎が「水面」の向こう側にいたことを踏まえると「水の呼吸」がなにか関係しているのかなとか妄想が膨らみそうです。水面の向こうにいる"気づいている炭治郎"は「水の呼吸を修得したあとの鬼殺の戦士としての炭治郎」であって、いままで家族と一緒に過ごしていた"気づいていない炭治郎"は「ただの炭売りの少年の炭治郎」ということなのかな。人格が分裂しているというほど大層な話ではなくただの二面性というか、人にはいろんな側面があるんやで的な話というか。

 からの禰豆子ちゃんスーパー萌え萌えフィーバータイム突入です。なでなでして欲しくてお兄ちゃんを起こそうとしてムーッ!ムムーッ!!はずるすぎる。この妹がすごい2017暫定チャンピオンです。禰豆子が爆炎の血鬼術を使ったことで夢の中の炭治郎にまで火が着いちゃってますが、これきっかけで炭治郎のヒノカミ神楽がまた見られる流れになるかもしれませんね。

 

◆『僕のヒーローアカデミア』No.132「計画」

 オーバーホール、個性の発動を制限する薬品を開発していたようですね。この薬品を以て「理を壊す」という言い方をしているので、これには壊理ちゃんが深く関わっているのでしょう。個性を発動できなくする分泌液か何かを出せる個性の持ち主で、それを弾丸に籠めているとかなんですかね。すでに全国規模で準備を進めているというあたり、オーバーホールの底がますます見えなくなりました。いくら前時代的な泡沫ヤクザという名分だとしても、死穢八斎會がそこまで巨大な地下組織ならもっと大々的にマークされていそうなものですが。

 切島くんと天喰くんのインターン先は関西(というかあからさまに大阪)のようですが、これって学業には支障出ないんでしょうか。インターンは学校のカリキュラムとは別口で個人的にやるもののはずですが、これはあまりにも遠出すぎる気がします。死穢八斎會包囲作戦がどの程度の時間を使って展開する予定なのかは分かりませんが、たとえば「インターン組は学校が休みになる週末だけ作戦に参加しまーす」みたいなアレはさすがにちょっと厳しそうですよね。プロの世界に片足を突っ込んでいる3年生ならともかく、1年生組がどうやってスケジュールに折り合いをつけているのかが気になって仕方がないです。

 天喰くんの個性めちゃめちゃ面白いですが、「アサリは毎日食べるようにしている」と明言していることから、食べてからある程度時間が経過したものは「再現」できなくなるんでしょうね。若干の制限はあるものの、応用の範囲が半端なさそうな楽しい個性です。

 そして切島くんの「硬化」。実戦らしいシーンというと体育祭でのテツテツとの殴り合いくらいしか憶えがないんですが、銃弾を弾き返せるレベルの硬さとなると相当強いですよね。物理攻撃に関してはほぼ完全無効と考えて良さげなので、轟くんみたいなロギア系とか精神攻撃系の個性でもない限りは基本ゴリ押しで戦えそうです。格好良い。

 

◆『左門くんはサモナー』第75話「左門くんはもう」

 パーフェクト。マーヴェラス。エクセレント。ブリリアント。お前がナンバーワンだ。

 はい、きちんと言語化しましょうね。まず今回の特筆すべき点として挙げたいのが「ギャグ描写が一切無い」という点なんですよ。この作品、どんなにシリアスな局面でも「一回の話の中でギャグが一度も出てこない」というケースは今まで無かったんですよ。冒頭のアンリの顔の描き方や「バックアタックだ!」のイメージ絵など、極度にデフォルメを効かせた絵柄は登場しているものの、それはギャグとして描かれているのではない、その絵柄で読者を笑わせにかかっているわけではないというのは言うまでもないことだと思います。シリアスな文脈を保ったままに絵だけをデフォルメされても面白くなるわけがありませんからね。沼先生は今回に関しては徹頭徹尾、左門くんとネビロスの親離れ・子離れをウェットに描こうとしているのが分かります。

 てっしーがこの戦いに同行した理由がね、ヤバいですよね。「左門くんとネビロスの戦いを見届けたいと彼女は思っているから、ここまで付いてきたんですよ。アンリ救出に関しても左門くんとネビロスの因縁に関しても根本的にてっしーは部外者で、特に役に立てるということは無いんですけど、彼女はかつて悪魔アガレスの力を借りて左門くんの過去(アンリとの出会い&召喚術士としてのルーツ)を覗き見しています(第45話参照)。これまでの左門くんとの交流を経て、彼女の中には「左門くんのことをきちんと知りたい」という気持ちが強くなっているんですね。今回の「見届けたい」というのも基本的にはその延長だと思うんですが、ネビロスとの関係について現時点のてっしーはその詳細を知りませんし、ある意味では「友達か恋人か」というアンリとの関係以上にナイーヴで踏み込みにくい領域なんですよね(ほとんど親子の関係と言っていいレベルなので、少なくとも赤の他人が気安い出歯亀根性で聞けるところではない)。しかし、「己の欲望に正直になること」を左門くんは決して否定しません。そのことを逆手に取って「私がそうしたいならいいよね」というある種開き直ったかたちの信頼を寄せて見せるてっしーがめっちゃイイ根性してるし、人々への思いやりと慈愛にあふれた彼女をしてそこまで思わしめる左門くんという人物が、てっしーにとって今やとても大きな存在になっているんだなというのが分かるわけで、つまり最高なんですよ。

 左門くんとネビロスのバトル描写に関してはもう本当に言うことがなくて、攻防のスピード感、圧迫感、戦術の面白みなどに関しては今までで一番だったと思います。ただ「ダメージ描写」という意味ではやはり物足りないところがあるので、本当にそこだけなんですよね・・・。もう少し具体的に「傷を負う描写」が欲しい。そこだけです。

 で、バトル描写というかバトルのなかで行なわれるキャラ描写なんですが、左門くんは本当に「ネビロスの教え子」なんやなというのがその戦い方から分かるんですよね。「戦う前から魔法陣を仕込んでおく」というのは以前から事あるごとに左門くんが披露しててきた戦術ですが、これすらもネビロスの教えによるものだったことが先週明らかになりましたし、今回のフィニッシュブローの直前に左門くんがブツブツと唱えていた「定型の戦法はない 場面に応じて臨機応変に敵の虚を突き 倒せ」という文言は、格上相手の心構えとして「大物食い(ジャイアントキリング)の可能性はここだけだ」という言葉とともにネビロスが授けた言葉でした。今回の左門くんはネビロスの指導を忠実に実践しているというだけでなく、他でもないネビロスという相手に対して「格上の大物と戦うための心構え」を復唱し続けていたわけです。日頃はネビロスに対してナメた口ばかり叩いている左門くんですが、彼はネビロスのことを油断などしようはずもない格上の相手・超えるべき遥かな高みの一つとして見ているのだということを雄弁に物語っているんですね。そして左門くんが唱えるのに合わせて「倒せ」と言ってしまってるネビロスなんてどう見ても「子に超えられる父」の寂しさと喜びに包まれていて、だから左門くんも万感の涙を流していて、つまり最高なんですよ。

 そしてトドメの「少将閣下と呼べ もう子供じゃあるまい」ですよ。初めて召喚されたとき、幼少の左門くんに対してネビロスは「少将閣下はよせ 貴様はまだ子供だろう」と言っていたんですよ。現在の左門くんはもはやただの子供などではなく(ましてや「聞き分けのいい子供」などでも断じて無く)、赤き竜の少将たる自分にも負けないくらい強い大人に育ったのだと認めたからこそ「少将閣下」と呼ぶように命じたんですよね。かくして左門くんの「父殺し」はここに成就し、つまりこの作品は完全に最高なんですよ。まいったか。ていうかですね、これほどまで見事に訣別譚的なアレをやられてしまったものですから、この作品はもしやこのまま完結に向かってしまうのでは的な危惧がにわかに生じており個人的に非常に不安です。あと5億年連載してほしい。

 

一言感想

◇『約束のネバーランド』第33話「決行②」

 レイ生きてた・・・。というかシスター・クローネの置き土産などがあったとはいえノーマンの先見性がすごすぎますね。レイの自殺計画まで見通した上で作戦を組み上げるというのはヤバすぎる。しかしレイにしろエマにしろ、自分の肉体を傷つけることに躊躇なさすぎてちょっと笑ってしまいました(「骨折しよ♡」がまだ記憶に新しい)。いよいよ脱出行が始まるわけですが、外の世界の実情など含めてワクワクが止まりません。

 

◇『ROBOT✕LASERBEAM』3rd round「ゴルフ場デビュー」

 誤解が解けて、ロボと鷹山がきちんと出会いました。鷹山の重すぎるゴルフ愛と負けん気がロボに「勝負」の何たるかを教える流れになりそうです。個人的にライバル関係って「お互いに影響を与え合う」というのがすごく大事な点だと思っていて、その点ロボと鷹山はいい感じのライバル関係としてキャラ立ちしてくれそうで期待が持てます。先週までだと(そもそもロボのほうは鷹山の顔と名前を見聞きしたくらいで興味すら無かったというのもあるんですが)鷹山が一方的にロボに固執してる状態だったんで、人物相関図の矢印が完全に一方通行だったんですよね。

 あと、ただのドライバーショットが紫電一閃」とか呼ばれてるのがあまりにも面白すぎましたね・・・。多分このテの異様に大仰な技名が頻出する感じの作品になるでしょうから、そこに関しては個人的には半笑いで読んでいく感じになってしまいそうです。

 

◇『Dr.STONE』Z=5「杠」

 ついに杠の復活です。やっぱりカワイイ。なぜかわからんが「ワオ」がすごく可愛く感じます。そして獅子王くん、こんなにも早く敵に回るとは・・・。このまま敵対関係になっていった場合、目的のシンプルさ・達成しやすさから考えれば獅子王くんの勝ちは動かなさそう(なにしろ大人の石像を手当たり次第に破壊していくだけで達成できる)なので、何らかのかたちで和解なり休戦なりということになるのかなーと思いますが。

 

◇『火ノ丸相撲』第139番「鬼切安綱」

 火ノ丸相撲でたまにある「言葉はいらない」やつですね・・・ホンマ最高・・・。「長時間戦えない=一瞬で片を付けるしかない」という理屈自体はあまりにも見え透いていましたが、それを差し引いてもこの勝ち方は格好良すぎます・・・。同体による取り直しという展開も、「仲間のために無理を押して土俵に上がる」蛍と「自分が相撲を取りたいがために土俵に上がる」桐仁という対比が見事でした。どちらの闘志も格好良い!

 

 今週の感想は以上です。

 ここまでお付き合い下さり、ありがとうございました。

 それでは。