Black and White

『BLEACH』を愛して止まない男・ほあしが漫画の話をします。当ブログに掲載されている記事の無断転載を固く禁じます。

『週刊少年ジャンプ』2017年13号の感想

こんばんは。ほあしです。

今週のジャンプの感想です。

 

◆『僕のヒーローアカデミア』No.128「ボーイ・ミーツ・・・」

 ペン入れが一部不完全な状態での掲載となっていますね。おそらくアニメ化に際しての打合せなどで執筆スケジュールが圧迫された結果だと思われます(ここ最近はツイッターの公式アカウントでもアニメ関係の告知がたいへん盛んですし)。思うんですが、大きな人気を得た作品をアニメ化すること自体はたいへん結構なことである一方で、それに付随して必ず発生する打合せなどによるスケジュール圧迫の皺寄せが原作執筆に向かってしまいがちのは何とかならないものなんですかね。今週は『ブラッククローバー』においても同様に一部がペン入れ未完成状態での掲載となっていましたし、「アニメ化の企画が動き始めると作家への負担が相当程度増大する」というのはまず間違いないことなんだと思います。しかし、であればこそ、執筆スケジュールの一時的な緩和(早い話が休載です)などの措置を制度化しておくのがまず真っ当な筋ではないかと思うんですよね。『ワールドトリガー』の葦原先生などは単行本の2ヶ月連続刊行などの無茶苦茶な企画によって健康状態を著しく害され、長期休載に追い込まれたという悪しき前例まであるというのに、作家の健康面・執筆スケジュール面への配慮などが一向に見られないのがジャンプ編集部の恐ろしいところだなと思います。しかもその現在長期休載に入っているワートリの最新単行本をこの3月に発売させるんだそうです(なのに葦原先生の健康状態についてのアナウンスは今のところ一切ありません)から、本当に何を考えているのか分かりません。何も考えていないだけかもしれませんが。

 閑話休題。今週の感想です。ナイトアイのお沙汰、そういえばBLEACHでも似たようなやつがあったなあと思いました(「あたしゃ「のされる前にのしちゃえ」って言っただけで「ウルルをのしたらレッスンクリア」なんて一言も言ってないスよ」)。しかしまあ先週のナイトアイの言い方だと大体の人は「ああ印鑑を奪えなければインターンは受け入れないんだな」と理解するのではと思わないでもないですが。あと、デクがオールマイトグッズだけは避けて跳ね回っていたことについて、ナイトアイが笑いを漏らしたのがちょっと不思議でしたね。感心すべきところなのは分かるし実際デクのオールマイト愛も相当ヤバいなと思わされたんですが、これが笑いにつながるというのは正直ピンと来ませんでした。ナイトアイの笑いのツボが独特ということなんでしょうか。あれですかね、「こいつも自分と同類(生粋のオールマイト信者)か」という気づきからくる半ば自嘲めいた笑いみたいな、そんな感じなんですかね。

 とはいえ、プロの厳しさを痛感させることによって「諦めさせる為の採用」という関係性は個人的にかなり好きですね。もちろん敵ではないけど身内でもないというヒリヒリした雰囲気がすごく好き。

 で、早速デクがオーバーホールと遭遇します。オーバーホールから逃げてるらしいツノ少女がめちゃめちゃカワイイですね。これは推せる。オーバーホール、苗字が「治崎」というところからするとやはり「分解修理」による治療能力が本来のフルスペックであって、こないだ披露したバラバラ殺害は「分解」の段階で止めてるっぽいですよね。答え合わせが楽しみ。

 

◆『鬼滅の刃』第51話「日輪刀還る。」

 まさかの鋼鐵塚さんカワイイ回だった・・・。いや、しのぶちゃんの輝くような笑顔とか、全集中・常中の修得に向けて奮闘してる三人組とかもかなりの萌え萌えパワーを備えてたんですが、伊之助に日輪刀を授けてるシーンの鋼鐵塚さんと炭治郎があまりにもカワイイすぎて・・・。ほっぺたつねってるとこが本当にヤバい・・・。それにしても善逸と伊之助、大奮起したとはいえたったの九日で常中を会得してしまうのはかなり凄いのではないでしょうか。しのぶちゃんの指導力のおかげ?

 そして久しぶりに鬼舞辻無惨が登場しました。変身能力に加えて読心能力まで持っているというのはヤバいですね。気配まで変わってしまうということですから、それこそ炭治郎に匂いを嗅ぎつけられでもしない限り初見で看破するのはかなり難しそうです(逆に言えば、たとえ姿を変えた鬼舞辻でも炭治郎なら見つけられるのかも?)。

 鬼舞辻によれば、十二鬼月は上弦と下弦でかなり格が違うようです。上弦に比べれば下弦は相当弱いのだと。冨岡さんが累を圧倒していたのを見たときはちょっと敵が弱すぎる(というか冨岡さんが強すぎる)ように感じたのもそういうことだったんでしょう。「ここ百年余り十二鬼月の上弦は顔ぶれが変わらない」ということは、「ここ百年余りのあいだ鬼殺隊は上弦の鬼をただの一人も斃せていない」ということに他なりません。それどころか、歴代の柱たちは尽く上弦の鬼によって殺されているとのことですから、鬼殺隊の最高戦力と比較しても上弦の鬼のほうが遥かに格上であることが分かります。ヤバい。いつか炭治郎たちでも勝てるようになるんですかね・・・。

 

◆『火ノ丸相撲』第134番「バカとバカ」

 久世の高校横綱決定&団体決勝開始回。レイナの「楽しんできてね」が端的に言って最高ですね。つまるところ「勝ってね」という意味でしかないんですが、この言い回し自体が、火ノ丸が横綱相撲に懸けている思いを以前聞かされたレイナだからこそ言えるものなわけで、その部分で二人の絆みたいなものが見えるんですよね。そしてそういう「自分たち二人にしか分からない言い回し」が出ちゃった事に慌ててるレイナがカワイイ。

 栄華大附属の兵藤くんですが、マジでチヒロの兄だったんですね。ツイッターではそういう予想を立てていたフォロワーさんも居たのですが、個人的には予想外でした。なんか普通にアマレス時代のライバルだったとかそういう感じなのかなーと漠然と思ってたんですよね。チヒロの方はわりとガチで兄を嫌ってるっぽい(実際かなり性格悪いですよね)し、ここはひとつガツーンとブッ飛ばしてほしいところ。

 で、実際の取組みですが、蛍が用いた奇策を国宝級の力士二人が揃って使っているのは実は結構アツい流れなのではと思わないでもない。まあ兵藤くんの開幕挑発はあまりにも考え無しの低クオリティすぎてほとんど自滅的な結果になっちゃってるのはアレなんですけど、凡才どころか非才と言っていいレベルの蛍の取組を見て、二人の国宝級の力士が大いに感化されたというのは紛れもない事実ではあるわけですから。しかしこうなると本当に取組の展開が読めなくなりました。チヒロに勝って欲しいところですがどうなることか。

 

一言感想

◇『腹ペコのマリー』ペコ1「マリー・テレーズ・シャルロット」

 新連載第4弾。『べるぜバブ』の田村隆平先生の新作です。実は『べるぜバブ』を読んでいなかったものでこの人の作風などを全く知りません。巻頭カラーのアオリ文曰く「新境地バトルラブコメ」とのことですが、とりあえず現時点ではバトル要素は見受けられませんよね。「色々あって女の子の身体になっちゃった少年が主人公のラブコメ」というと叶恭弘先生の『プリティフェイス』あたりが思い出されますし、設定としての面白さはかなり保証付きなのかなと思いますが、ここからどうやって「バトルラブコメ」へ持っていくのかが個人的に楽しみです。ギャグもわりと面白いですし。しかしこれ、もし「憑依召喚したマリー・テレーズの異能を使って戦うぜー!」みたいなアレだったらそれもう完全に英霊召喚からの聖杯戦争なのでわ~~~魔界転生なのでわ~~~みたいなお気持ちになりそうですが、今見えてる情報だけだとそこくらいしか「バトル」に絡められそうなところが見当たらないんですよね。いずれにしても続きが気になる第一話ではありました。マリー・テレーズもカワイイし。

 

◇『約束のネバーランド』第28話「潜伏」

 レイの「幼児期健忘が無かったせいで農園の外側のことを最初(生まれた時)から知っていた」という設定は面白いですね。ごくたまに胎内記憶を保持しているという子供の話を聞いたりします(まあ実社会でそういう話を聞かされると個人的には正直眉唾ものだと思ってしまいます)が、まあそういうアレでしょう。きわめてシンプルな理由なので説得力もあります。6歳にしてママに取引を持ちかけるレイの貫禄ヤバい。

 ノーマンが見つけたもの、何なんでしょう。ペンと何らかの包みということしか分かりませんが、これのおかげでとにかく不穏な雰囲気を伴ってノーマンが"消え"ました。本当に生きて逃げ延びてるんでしょうか・・・。

 

◇『ポロの留学記』2ページ目「ポロ、遅刻する。」

 お話のフォーマットは完全に固まってるようですね。魔界からやって来て悪さをする悪魔たちをアレして平穏な生活を守るという。典型的なクソ野郎系風紀委員キャラだった巌くんが普通に話せば分かるやつだったのが良かったです。気になるのは、第2話にして絵が一部粗くなっているように見受けられるところ。特に動きのあるシーンでは、集中線やスピード線でごまかしているようにも見えてしまいました。コメディなのであえてデフォルメを効かせているということなのかもしれませんが、個人的にはもう少し精緻な絵を描ける人だったように記憶していたので、少し戸惑いました。

 

◇『U19』第3話「衝動(リビドー)」

 できれば第1話でこの辺りまでやりきってほしかったですね・・・。物語としてはここまででようやく最初の導入が終わり、主人公の戦いがいよいよ始まるのだという感じなわけですし。このペースだと大人党のやや偉いくらいの人を一人ブッ飛ばして終わりみたいになりそうな気がして仕方ありません。理屈の痛いところを指摘されると暴力に物を言わせる大人党シンパのダサさもまあ当然のことながら相変わらずですね。とにかく、本当に異能バトルをするつもりならさっさとまともなバトル描写をやってほしいものです。

 

◇『僕たちは勉強ができない』問4.「魚心あれば、天才に[X]心あり。」

 絵柄はカワイイ。新キャラのケツ・競泳水着パツンッが爆裂にエロい。性欲喚起。わかる。でもキャラ造型がどうしようもなく気持ち悪い。ただでさえ推薦枠を質にとって生徒を脅しつけるクソ野郎だった学園長が追い脅迫によってさらに輪をかけてクソ野郎と化しています。生徒の弱みにつけ込んで頼るな。専業の指導者を探し続けろ。この学校にまともな人間はおらんのか。あと、「親指姫」とか「眠り姫」とか「人魚姫」とか、ヒロインたちに冠せられた異名のセンスもすごく小っ恥ずかしい感じなんですよね。そもそも当たり前のように「姫」呼ばわりしちゃう生徒も、それを普通に受け入れちゃう女子もかなりキツい。

 今回加わった第三のヒロイン・武元うるかさん。勉強しろも何も、普通に志望大学を変更すればそれで解決する話だと思うんですが如何でしょうか。だって彼女の場合、いま志望しているという「音羽大学」とやらに対しては、英語の試験が課せられると聞かされただけで「じゃやめる」と即決してしまう程度の志望度なんですよ。彼女はこと水泳に関しては「中学時代から全ての大会で優勝してる「天才」」であり「将来のオリンピック候補」とまで言われていて、志望校に関しては全くこだわりがないらしいんですから、純粋なスポーツの成績のみで推薦を受けられる大学に志望校を変えることなど造作もないはずです。競技水泳におけるその圧倒的な実績をもってすれば、どう考えても全国の大学から引く手数多のはずなんですから。

 それに彼女は、今回姫二人と会った段階で、成幸くんが推薦を質に取られて教育係に任じられているという経緯を聞かされているんですよね。だとすれば「一番!あたしに一生懸命にさせてやるんだから!」とか言ってる場合じゃなくて、自分まで成幸くんの世話になったらただでさえ重い彼の負担を徒に増やしてしまうということに気づいて欲しいです。なんでこういうツッコミどころだらけの理由設定で作劇を押し切ろうとするんでしょうか。志望度低いですよ描写とかどう考えてもやっちゃダメでしょう。いくらなんでも雑すぎる・キャラクター描写について無責任すぎるように思います(ガチギレ)。

 あと、雑すぎると言えば学園長への定期報告の内容ですよ。「緒方も古橋も少しずつ(本当に)成績を伸ばし始めているところでして・・・」というセリフです。まさかこれ、マジで先週のラストで二人の確認テストの点数が前回比で2点ほど上がっていたことを指して「成績を伸ばし始めている」と言っているんでしょうか。たった一度のテストのスコアをちょっと信頼しすぎているというか、一般的には2点や3点の差なんてどう考えても誤差の範囲内ですし、特にあのバカ姫二人の場合、設問の組み合わせ方次第では普通に0点を叩き出せるくらいのバカさ加減を全く脱しきれていないと判断すべきだと思うんですけど。まさか本当に確認テストの点数だけを使って成績の変化を表現しようとしてくる(しかもこんなにも早い段階で)とは思いませんでした。勉強描写を一切やる気が無いのにどうしてこんな設定にしたんでしょうか。本当に解せません。連載会議ではどういうコンセプトで説明してたのか見せて欲しいくらいです。

 

 今週の感想は以上です。

 ここまでお付き合い下さり、ありがとうございました。

 それでは。