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Black and White

『BLEACH』を愛して止まない男・ほあしが漫画の話をします。当ブログに掲載されている記事の無断転載を固く禁じます。寄稿のご依頼などはhoahoahoashi@gmail.comまでどうぞ。

『週刊少年ジャンプ』2017年4・5合併号の感想

ジャンプ 感想

こんばんは。ほあしです。

今週のジャンプの感想です。

 

◆『僕のヒーローアカデミア』No.120「二人」

 デクの「うっかり口が悪くなる」というモノローグがエモい。これは気づきませんでした。「憧れだった」というのが出まかせではないことが端的にわかるところですね。

 シュートスタイルへのコンバート以降、完全に脚技だけに気を取られてました。たしかにコンバートしたからって腕を金輪際使っちゃいけないなんて道理は全く無くて、普通、肉弾戦なら拳も脚技も駆使して当然ですよね。「戦法を根本的に変えた」のではなく、「従来通りの戦い方の中で選択肢を増やした」と考えればよさそうです。

 オールマイトのとりなしのおかげで、二人の衝突の落とし所としてはかなり穏当というかいい感じに収まったなと思います。「デクに超えられてしまったのではないか」というかっちゃんの焦りに対してどういうオチをつけるのかなと思っていたのですが、「この場ではかっちゃんが勝つ」というのはなるほど上手いなと。バラさないというのを他でもないオールマイト本人に誓っていますから、かっちゃんが秘密を漏らす心配もまず無いでしょうし。なにより、「オールマイトと秘密を共有した」という事実そのものが今後のかっちゃんを支えてくれるんじゃないかなと思います。「秘密の共有」って、ありがちですが絆を強めるにはすごく効果的なので。

 

◆『火ノ丸相撲』第126番「人に優しく、己に・・・」

 アツい。格好良い。それ以上の言葉が見つからないくらい最高でした・・・。ヤンキー更生物語としての文脈もそうですけど、「人のためにこそ頑張れる真面目な佑真だからこそ、佑真自身のために勝ってほしい、報われてほしい」という先生の愛情が本当に刺さりました(あと「報われてほしい」のコマで小関部長の必死の応援が描かれているのもめちゃめちゃグッとくる)。刺さったというか、もう本当に私の言いたいことを全部言ってくれてるなって感じです。個人的には心入れ替えヤンキーキャラをここまで好きになることって早々無いんですが、これも贔屓したくならずにはいられないくらい真剣に佑真が苦悩していることを川田先生がしつこく描いてくれたからこそなんですよね。

 終盤の怒涛の突き連打で力尽きたところで、「まさかこれでも負けるのか・・・?」と思ってしまいました。バトくんの国宝級の闘志はまだ消えていませんし、佑真の最後の突きがあまりにも力ないものでしたから。からの「力尽きる直前にぎりぎり押し出していた」というオチの付け方がすごく感動的だと思います。「この泣かせにくる感じがさ」という先生のセリフは明らかにこの展開そのものに対する自己言及なわけですが、それすらもいやらしく感じさせないくらい、あまりにもアツい勝負だったと思います。最高でした。

 

◆『ハイキュー!!』第235話「解放」

 日向・影山回と言っていいでしょう。影山がアジャストを完了させた途端のこの冴え渡りっぷり、本当に格好良い。変人速攻を強烈に印象づけてからのツーアタックや際どいコースへの強烈なサーブなどは影山の従来からの持ち味ですが、前回までがアジャストのための助走期間だったおかげで、こういった基本的な動作にも大きなカタルシスが生まれているように思います(まさに「解放」ですよね)。

 しかしなにより、影山サーブ直後の流れるようなセッティングからの速攻が最高に格好良い。解説の人(おそらくはプロとして活躍した人でしょう)が汗を垂らしながら「無駄な動きが一切無い」と評しているところから、影山のこの動きがどれほど高度で洗練されたものかが分かります。そしてそのことを我が事のように誇らしく思い、「世界が影山くんを見つけますよ・・・!」なんて大真面目に言って目を輝かせながらフンスしてしまう武田先生が本当にかわいくて素敵です。バレーボール未経験者だからこそ競技以外の部分のサポートを完璧にこなしつつ、同時に選手の競技パフォーマンス自体も全力で愛している武田先生は、非プレイヤー型の顧問の先生キャラとして一種の完成形にあると思います。

 

◆『鬼滅の刃』第43話「地獄へ」

 累の顛末、思いの外たいへん泣かされてしまいました。内容自体は今までの累の行動から逆算すればかなり容易に想定できるものだったんですが、何でしょう、累の一人称による語り方がものすごく丁寧だったからでしょうか、彼の悲しみがものすごく痛切に伝わってきました。

 炭治郎の差し伸べた手に対して、鬼であるはずの累が「陽の光のような優しい手」という感想を抱くのもすごく悲しいですよね。鬼はその生態上日光を浴びることができなくなっているだけであって、その温もり自体を嫌っているわけではないというのが、炭治郎の言うとおり彼らは「悲しい生き物」なんだなと思わされます。頸を失ってもなお「毎日毎日父と母が恋しくてたまらなかった」といって炭治郎たちの絆に触れようとしているくだりなどは本当に痛ましくて泣けてきます。

 それにしても、吸血鬼モノなのだから当然っちゃ当然ですが、この辺りの処理はやはり『BLEACH』みが強いなと思ってしまいます。「鬼はもともと人間だった」というところに主人公が強くこだわる辺りとか。あとこれは完全に余談ですが、回想に登場した累の母親が着ている着物、『BLEACH』で京楽が一時身につけていた女物の着物とおなじスクリーントーンを用いているようですね。だからなにって話なんですが。

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久保帯人BLEACH』71巻177頁)

 そしてしのぶちゃんですよ。そりゃ考えてみればこうなるに決まってるっていうか、竈門兄妹は鬼殺隊の面々と知り合う度に事情を説明してなんとか見逃してもらうしかないんですよね。まあ今回はすでに事情を知っている(しかも炭治郎たちに一定の期待を寄せている)冨岡さんも居合わせていますから、状況としてはまだマシなほうだと思いますが。

 

◆『左門くんはサモナー』第62話「左門くんは顔がムカつく」

 掲載順位がなかなかYABAI。マステマ篇終盤あたりのアンケ反映でしょうか。

 まあ順位については気にしても仕方ないので内容の話をしますけど、個人的には冒頭の「俺とバンド組む気はねーか」の突飛さで完全にもっていかれたました。「バンドでモテよう」という発想をマジで実行してしまう残念さがあまりにも面白かったです。あとYANSUがかわいすぎた。

 そしてクロスロード伝説ネタをはじめて本編内で使ってきましたね。左門くんの「十字路の悪魔」の話は単行本のキャラプロフィール紹介にのみ載っていたものです。20世紀アメリカの伝説的なブルース歌手・ギタリストであるロバート・ジョンソンの逸話が元ネタになっています。マニアックすぎてあんまり使い所のなさそうな小ネタだなと思っていましたが普通に使ってきましたね。まあ以前から元ネタありきのパロディをバンバンやる作家さん(そもそも茨木のキャラ造形からして『特攻の拓』ありき)ですから、「このネタはマニアックすぎるかも~」みたいな理由での躊躇はあまり無いのかもしれませんね。

 「LONELY 二ッ度NIGHT」の歌詞、本当に絶妙の面白くなさですね・・・。いや、なんというか、たぶんこれくらいが正しいんですよね。茨木たちはあの曲をあくまでも真面目に作って真面目に演奏しているわけなので、そんなに真正面から面白い歌詞だったらそっちのほうがおかしい。彼らなりに自分たちのキャラを盛り込んだ歌にしようとしてるんだけど絶望的にセンスがないからああいう残念すぎる仕上がりになる、という。ギャグとしてよりもキャラ描写として見たほうが面白いのかなと感じました。

 

 今週の感想は以上です。

 ここまでお付き合い下さり、ありがとうございました。

 それでは。