Black and White

『BLEACH』を愛して止まない男・ほあしが漫画の話をします。当ブログに掲載されている記事の無断転載を固く禁じます。寄稿のご依頼などはhoahoahoashi@gmail.comまでどうぞ。

『週刊少年ジャンプ』2016年52号の感想

こんばんは。ほあしです。

今週のジャンプの感想です。

 

◆『鬼滅の刃』第40話「ヒノカミ」

 激アツですね。炭治郎の家は炭売りを家業にしていたわけですが、その設定がここで活きてくるわけですね。鋼鐵塚さんから日輪刀を授かったとき、炭治郎はその赤みがかった髪と瞳を指して「赫灼(かくしゃく)の子」と言われていました。「火を扱う家にそういう子供が生まれるのは縁起が良いので喜ばれる」とも。炭治郎は「火」に大いに縁のある人物だということが最初から提示されていたわけですね。

 ところで、「ヒノカミ様」、どうもここでは「火の神様」という意味のようですね。まあ太陽の紋様を刻んだ耳飾りにも深い関わりがあるようですから、「火の神様」と「日の神様」のダブルミーニングなのかもしれませんが(これら二つの神格はしばしば同一視されますし)。

 また、禰豆子もなにか訳ありのようですね。「血鬼術」はその字のごとく鬼が使う異能なわけですが、今は亡き炭治郎らのお母さんはこれを使うように禰豆子に呼びかけています。まあまさか禰豆子が元々鬼だったというわけでもないと思いますから、「鬼になったことでヒノカミ様にまつわる火の力を使えるようになっているはずだ」みたいな、そういう意味なのだと思います。「(鬼になった)今の禰豆子ならできる」ということなのでしょう。自分が鬼であるということを禰豆子が積極的に受け入れた上で生きようとしているのが地味に伝わってきてすごく良い・・・。ヒノカミ神楽と爆血のあわせ技、単純にものすごく格好良いのもそうですが、「俺と禰豆子の絆は誰にも引き裂けない!」という炭治郎の言葉に強い説得力を与えているのが素晴らしいと思います。

 あと、これは余談なんですが、炭治郎たちの両親の名前は、「炭十郎(たんじゅうろう)」「葵枝(きえ)」というんですよね。炭十郎というのはまあ代々炭を扱ってきた家業ですし特に目新しいものでもないんですが、「葵枝」というのがちょっと面白くてですね。

 葵(アオイ)という植物の名前は元はフユアオイなどを指すもので、「仰(あおぐ)日(ひ)」との意味があり、その葉に向日性があることから付けられた名前なんだそうです(アオイ科 - Wikipedia参照)。つまり、どうやら母親の名前も太陽に縁のあるもののようなんですね。ヒノカミ様周辺の設定、おそらく最初から準備してあったんだろうなと思います。

 

◆『ハイキュー!!』第232話「戦線」

 潔子さん最強回。どんなに緊張感をもって事にあたってもトラブルは起こるときには起こるものだしミスをするときにはするものだけど、せめてそういう場面をフォローするのが(バレーボールそのものについては素人な分だけ余計に)顧問の努めなんだ、というのが先週の武田先生回だったわけですが、今回はおおむね同じ軸の話をマネージャー視点でやったわけですね。「私はコートに立たないし ユニフォームを着るわけでもない でも 今 ここがわたしの最前線」というのがハイライトです。「それがどうした」も本当に格好良い。「練習して練習して練習して積んできたものがあっけなく終わる」ことへの恐れと、それでも「挑まずにはいられない」という闘争心と。かつて陸上競技のプレイヤーだった(先日のお風呂回でこの情報を事前に提示していたのも周到ですよね)彼女だからこそ余計に強く感じていたであろう「自分がいる場所は戦いの最前線ではない」というやや鬱屈した感覚が今回の奔走によって一気に反転するというのが本当に爽快でした。

 

◆『僕のヒーローアカデミア』No.117「てめェの"個性"の話だ」

 かっちゃん、やはり勘づいてました。「てめェの憧れの方が正しいってンなら じゃあ俺の憧れは間違ってたのかよ」がハイライトでしょうね。オールマイトが「勝つ」姿に憧れたかっちゃんと、オールマイトが「救ける」姿に憧れたデク、というのが対比としてあるわけですが、実際のところは、オールマイト自身もかつてはデクと同じ"無個性"だったということによるシンパシーなどもあったりするので、かっちゃんが思っているほどシンプルな話ではないんですよね。しかし、かっちゃんとしては拳を交わさなければちょっともう止まらない感じになっちゃってるっぽいです。「確かめさせろ」と言っているかっちゃんの目が明らかにヤバい。読者としては「まさにそういうところがダメなんやで」というのは明らかに分かるんですが、かっちゃん、自分の人格に問題がありすぎることについてはどれほど自覚的なんでしょうかね。さすがにそろそろ本腰を入れて精神面の矯正を図らないことにはヒーローへの道は甚だ遠いものになると思うので、遠くないうちになにかあるだろうとは思いますが。

 

◆『左門くんはサモナー』第59話「左門くんは種モミを強奪する側のタイプ」

 マステマ編が決着しました。ただ、正直、「アバドンに飲み込んでもらって閉じ込める」というのがどれほど信頼できる処置なのかイマイチよく分からないんですよね。九頭竜くん初登場の静岡ホットドッグ回では、九頭竜くんの生命を脅かすほどに暴れすぎたベヒモス先輩をアバドンでお仕置きしたという一幕がありました。このとき、アバドンについては「奈落の王。奈落の鍵を管理し、千年もの間、悪魔の王を閉じ込めた。」という説明があったんですが、そのわりにはベヒモス先輩はその後当たり前のように何度も登場していますから、一度幽閉したとしても、再び出てくることは決して不可能ではないようなんですよね。幽閉の決定権を左門くん一人が完全に掌握しているとも思えませんし、マステマに対する警戒度のわりにはちょっと詰めが甘い処置のように思えてしまいます。まあこれ以上に「確実な処置」となるともはや殺害くらいしか無くなってくるんですけども。

 というわけで、おそらく今後、マステマは基本的には登場しないんだろうと思います。登場するとしたらまたシリアス回をやるときに、ということなのかなと。でもあんまり安易に復活されると安売り感が出てきて格が落ちるみたいなアレもありますから、わりと扱い方が難しい感じになってしまったような気も。まあコメディ一本でも普通に面白いのでそんなに心配する必要もないかとは思いますが。

 

◆『火ノ丸相撲』第123番「弱き心に、強き意志」

 佑真の「覆水を盆に返す」戦いがいよいよ始まりますね。佑真、本当に異様なまでに責任感が強いというか、内罰的というか、気にしいというか、ハートが弱いというか。物語序盤であんなテンプレヤンキームーヴを喜々としてやってたのがむしろ不思議になってくるレベルなんですよね。まあ相撲を始めたからこそ今の佑真があるわけなんですが。この作品、佑真という「改心したヤンキーキャラ」の扱いについては本当に未だかつて見たことがないレベルの丁寧さでケアしてきてますから、この試合も相当面白いことになるだろうと思います。まあ相手になるバトくんについては別にヤンキーに関わりがあるようなキャラ造型にはなってないっぽいですから、単に"心"の強さ弱さという軸での衝突になりそうですが。どちらかというと「自分との戦い」的な方向で描かれるのかなと。

 

◆『レッドスプライト』最終話「赤い雷のあとに」

 レッドスプライト、逝ってしまわれました・・・。まずは屋宜先生に「お疲れ様でした」と言わせてください。

 前から繰り返し言ってますが、絵のケレン味不足が一番厳しい要素だったのかなと思います。世界観設定や作中人物の行動原理における「地に足ついてる感」「堅実さ」みたいなところは屋宜先生の大きな武器だと思うんですが、デザイン面においてはもう少しブッ飛んだことをやっても全然大丈夫なんじゃないかなと思います。マンガですし。

 あとは、「雷髄人間」が持つ異能の種類が今ひとつ差別化されて見えなかったのが異能バトル物としては痛いんですよね。超速戦闘を得意とする「神経型」や、事実上の不死者である「遺灰兵士」など、戦い方には大きなバリエーションはあるものの、その能力の根源は全て「電磁力」なんですよね。雷髄人間はエネルギー資源として利用されているという設定上、これはもう仕方ない部分があるんですが、異能バトルとしてはやはり「一人一能力」的なところが無いとどうしても飽きられてしまうだろうと思います。今後そういう方向へ行くつもりだったけどそこまで保たなかった、ということなのかもしれませんが。いずれにせよ残念です。

 

今週の感想は以上です。

ここまでお付き合い下さり、ありがとうございました。

それでは。